KO5-003|公共・倫理 対策問題
アリストテレスの倫理思想の説明として最も適切なものはどれか。
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正解: 2
正解
過度と不足の両極端を避ける中庸を選ぶことを習慣づけることで、倫理的な徳が身に付くとした
この問題のポイント
アリストテレスの徳論を問う。中庸と習慣づけによる倫理的徳の形成、そして「人間はポリス的動物」という共同体観が判断の軸になる。
解説
アリストテレスはプラトンの弟子だが、真の実在を感覚を超えたイデア界にではなく、個物に内在する形相(エイドス)に求め、現実の世界を重視した。
彼は徳を、思考の働きに関わる知性的徳と、性格に関わる倫理的徳(習性的徳)に分けた。倫理的徳は生まれつき備わるのではなく、過度と不足の両極端を避ける中庸(メソテース)を選ぶ行為を繰り返し、習慣づけることで形成される。たとえば勇気は、無謀と臆病の中庸である。
また人間は本性上ポリスにおいてこそ善く生きられるポリス的動物であるとし、共同体の絆として正義と友愛(フィリア)を重んじた。正義はさらに、名誉や報酬を能力や働きに応じて配分する配分的正義と、裁判や取引で当事者の利害得失を均等にする調整的正義に分けられる。
ひっかけポイント
イデア論はプラトンで、それを批判して現実の個物を重視したのがアリストテレス。倫理的徳は知識だけでなく習慣づけで身に付く点、人間を孤立した自足的存在とみない点が問われやすい。
選択肢の確認
①「人間は生まれつき自足した存在であり、共同体なしでも善く生きられるとした」
❌ 誤り。
誤答理由: アリストテレスは人間を本性上ポリス的動物とし、共同体の中でこそ善く生きられるとした。孤立して自足できる存在という説明は正反対である。
②「過度と不足の両極端を避ける中庸を選ぶことを習慣づけることで、倫理的な徳が身に付くとした」
✅ 正しい。
正解。アリストテレスは、倫理的徳(習性的徳)は過度と不足を避ける中庸を選ぶ行為の反復・習慣づけによって形成されるとした。勇気が無謀と臆病の中庸である例が典型。
③「感覚の世界を離れたイデアの世界にのみ真の実在があるとした」
❌ 誤り。
誤答理由: 感覚界を離れたイデア界に真実在を求めたのは師のプラトン。アリストテレスはこれを批判し、本質(形相)は個物に内在するとして現実世界を重視した。
④「最大多数の最大幸福をもたらす行為が善であると説いた」
❌ 誤り。
誤答理由: 最大多数の最大幸福はベンサムの功利主義の原理であり、古代ギリシアのアリストテレスの徳倫理とは別系統の思想である。
覚えるポイント
- 倫理的徳は中庸の選択の習慣づけで形成される
- 人間はポリス的動物、正義と友愛が共同体の絆
- 配分的正義と調整的正義の区別も頻出
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。