RN2-A10公共・倫理 対策問題

倫理A 人間としての在り方生き方(2) ギリシアの思想

アリストテレスの形相と質料についての説明として最も適切なものはどれか。

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正解: 4

正解

アリストテレスは、事物の本質である形相は個々の事物を離れて存在するのではなく、素材である質料と結びついて事物のうちに内在するとした

この問題のポイント

アリストテレスの存在論を問う問題。「形相(本質)は事物に内在する」というイデア論批判の核心と、形相・質料の定義の区別で解ける。

解説

アリストテレスはプラトンの弟子だが、現実の事物を離れたイデアの世界を認める師の説を批判した。「プラトンは私の友であるが、真理はより大切な友である」(要旨)という言葉が伝えられる。
アリストテレスによれば、事物の本質は事物の外のイデア界にあるのではなく、個々の事物そのものの中にある。事物は、

  • 形相(エイドス):その事物を当のものたらしめる本質・かたち
  • 質料(ヒュレー):形相を受け取る素材
    の結合として成り立つ。たとえば机は、木材という質料に、机の形相が実現したものである。質料が形相を実現していく過程が生成・発展であり、可能態(デュナミス)が現実態(エネルゲイア)になると説明された。
    この立場は、目の前の現実の事物と自然の観察を重んじる態度につながる。アリストテレスは生物・政治体制など膨大な対象を分類・研究し、諸学問を体系化して「万学の祖」と呼ばれた。理想主義のプラトンと現実主義のアリストテレス、という対比はギリシア哲学理解の軸である。

ひっかけポイント
形相(本質)と質料(素材)の定義の入れ替えが定番。「イデア論をそのまま継承」は師弟関係の核心(批判的継承)を消す誤り。観察軽視は万学の祖の実像と正反対。

選択肢の確認

①「アリストテレスは、師プラトンのイデア論を批判せず、そのまま受け継いで発展させた」
誤り。
誤答理由: アリストテレスは、現実の事物を離れたイデアの世界を認める師プラトンの説を批判した。無批判の継承ではない。

②「形相とは事物の素材を指し、質料とは事物の本質・設計を指す」
誤り。
誤答理由: 形相は事物の本質・かたち、質料は素材であり、この説明は両者の定義を逆にしている。

③「アリストテレスは、現実の自然を観察することは真理の探究に役立たないと考えた」
誤り。
誤答理由: アリストテレスは生物や政治体制など現実の観察と分類を重んじ、万学の祖と呼ばれた。観察の軽視は実像と正反対である。

④「アリストテレスは、事物の本質である形相は個々の事物を離れて存在するのではなく、素材である質料と結びついて事物のうちに内在するとした」
正しい。
正解。アリストテレスは、本質である形相は事物を離れて存在せず、素材である質料と結びついて事物のうちに内在するとした。

覚えるポイント

  • 形相=本質、質料=素材、本質は事物に内在
  • 可能態から現実態への発展として生成をとらえた
  • 現実観察を重視、万学の祖と呼ばれる

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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