RN2-A11|公共・倫理 対策問題
アリストテレスの徳論についての説明として最も適切なものはどれか。
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正解: 3
正解
アリストテレスは、徳を知性的徳と、行為の反復による習慣づけで形成される倫理的徳(習性的徳)に分け、倫理的徳の基準として超過と不足を避ける中庸を挙げた
この問題のポイント
アリストテレスの徳の分類を問う問題。「知性的徳と倫理的徳の区別」「倫理的徳=習慣づけ+中庸」という構造がわかれば解ける。
解説
アリストテレスは『ニコマコス倫理学』で、人間の徳(アレテー)を二種類に分けた。
- 知性的徳:教育や学習によって形成される、理性そのものの徳。真理を認識する**知恵(ソフィア)や、行為の場面で適切な判断を下す思慮(フロネーシス)**など
- 倫理的徳(習性的徳):勇気・節制・正義など、性格にかかわる徳。生まれつき備わっているのではなく、善い行為を繰り返す習慣づけによって形成される
倫理的徳の基準が中庸(メソテース)である。感情や行為には、多すぎ(超過)と少なすぎ(不足)という両極端があり、そのいずれをも避けたほどよいあり方が徳である。たとえば勇気は、無謀(超過)と臆病(不足)の中庸である。中庸は両極端の機械的な中間点ではなく、思慮によってその場その場で見きわめられる最善のあり方であり、どちらか一方の徹底とは正反対の考え方である。
ソクラテス以来の主知主義に対し、知だけでなく習慣と実践を重んじた点がアリストテレスの特色である。
ひっかけポイント
「倫理的徳は生まれつき」は習慣づけの説明と正反対。中庸を「一方の徹底」とする定義のすり替え、思慮を行為の判断と切り離す説明も定番の誤り。
選択肢の確認
①「中庸とは、二つの極端のうち、どちらか一方を徹底的に追求することをいう」
❌ 誤り。
誤答理由: 中庸は超過と不足の両極端を避けるほどよいあり方であり、一方の極端の徹底はその正反対である。
②「知性的徳の一つである思慮(フロネーシス)は、行為の場面での適切な判断とは無関係である」
❌ 誤り。
誤答理由: 思慮(フロネーシス)は行為の場面で中庸を見きわめ適切な判断を下す知性的徳であり、行為の判断と密接に関わる。
③「アリストテレスは、徳を知性的徳と、行為の反復による習慣づけで形成される倫理的徳(習性的徳)に分け、倫理的徳の基準として超過と不足を避ける中庸を挙げた」
✅ 正しい。
正解。アリストテレスは徳を知性的徳と倫理的徳(習性的徳)に分け、倫理的徳は習慣づけで形成され、その基準は超過と不足を避ける中庸であるとした。
④「倫理的徳は生まれながらに完成した形で備わっており、習慣づけを必要としないとされる」
❌ 誤り。
誤答理由: 倫理的徳は生まれつき完成しているのではなく、善い行為を繰り返す習慣づけによって形成される。
覚えるポイント
- 知性的徳(知恵・思慮)と倫理的徳(習性的徳)の二分
- 倫理的徳は善い行為の習慣づけで形成される
- 中庸=超過と不足を避ける、思慮が見きわめる
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。