RN6-045公共・倫理 対策問題

倫理B 西洋近現代思想(4) ドイツ観念論と功利主義

カントの道徳論における善意志と動機主義の説明として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る

正解: 1

正解

無条件に善いといえるのは善意志のみであり、行為の道徳的価値は結果ではなく義務に基づく動機にあるとした

この問題のポイント

カント倫理学の動機主義を問う問題。結果主義(功利主義)との対比で、義務に基づく動機だけが道徳的価値を与えるという立場をおさえる。

解説

カントは『道徳形而上学の基礎づけ』の冒頭で、「この世界の内でも外でも、無条件に善いといえるものは善意志のほかには考えられない」(要旨)と述べた。
才知・勇気・財産などは、悪い意志のもとでは害悪にもなるから、条件付きでしか善くない。ただ、義務であるがゆえに道徳法則に従おうとする意志、すなわち善意志だけが無条件に善い。
したがって行為の道徳的価値は、行為がもたらした結果ではなく、行為の動機によって決まる(動機主義)。同じ親切な行為でも、評判や利益のため、あるいは単なる気分からなされたものと、義務の意識からなされたものとでは、道徳的価値が異なる。結果として成功しなくても、義務に基づく行為の価値は失われない。
この立場は、行為の結果の幸福を基準とする功利主義の帰結主義と鋭く対立する。

ひっかけポイント
結果がよければ動機を問わないのは功利主義的な帰結主義であり、カントの動機主義と正反対。才能や財産は「条件付きの善」にすぎない点にも注意。

選択肢の確認

①「無条件に善いといえるのは善意志のみであり、行為の道徳的価値は結果ではなく義務に基づく動機にあるとした」
正しい。
正解。カントは無条件に善いのは善意志のみとし、行為の道徳的価値を結果ではなく義務に基づく動機に求める動機主義に立った。

②「行為の結果として幸福が増大しさえすれば、動機はどうであれ道徳的に善いとした」
誤り。
誤答理由: 結果さえよければ動機を問わないという帰結主義は功利主義の立場であり、カントの動機主義と正反対である。

③「才知や勇気などの才能は、どのように用いられても無条件に善いとした」
誤り。
誤答理由: 才知や勇気は悪い意志のもとでは害悪となるため条件付きでしか善くない、というのがカントの議論である。

④「義務の意識からの行為よりも、同情など自然な感情からの行為の方が道徳的価値が高いとした」
誤り。
誤答理由: カントは義務に基づく行為にこそ道徳的価値を認めた。同情などの自然な感情からの行為を義務より上位に置いてはいない。

覚えるポイント

  • 無条件に善いのは善意志のみ
  • 道徳的価値は結果ではなく義務に基づく動機で決まる
  • 功利主義の帰結主義との対比で問われる

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

関連問題

RN6-044RN6-046