RN6-046公共・倫理 対策問題

倫理B 西洋近現代思想(4) ドイツ観念論と功利主義

カントの人格と目的の国についての説明として最も適切なものはどれか。

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正解: 4

正解

人格を単に手段としてのみ扱わず常に同時に目的として扱えと説き、そのような人格の共同体を目的の国と呼んだ

この問題のポイント

定言命法のもう一つの定式である人格の尊重を問う問題。「単に手段としてのみ」の「のみ」の意味まで正確に読み取れるかがポイント。

解説

カントは、自ら道徳法則を立てそれに従いうる主体を人格と呼んだ。物件が価格を持ち他のもので置き換えられるのに対し、人格は何ものにも置き換えられない尊厳を持つ。
そこで定言命法は次のようにも定式化される。「あなた自身の人格の内にも他のあらゆる人の人格の内にもある人間性を、いつも同時に目的として扱い、決して単に手段としてのみ扱わないように行為せよ」(要旨)。
人は互いに助け合う以上、他人を手段とすること自体は避けられない。禁じられているのは、相手を「単に手段としてのみ」扱い、その人格の尊厳を無視することである。
そして、すべての人格が互いを目的として尊重し合う理想の共同体を、カントは「目的の国」と呼んだ。この人格尊重の思想は、現代の人権思想の哲学的基礎の一つとなっている。

ひっかけポイント
「手段として扱うこと一切の禁止」ではなく「単に手段としてのみ扱うことの禁止」である。全体の利益のための人格の道具化はカントが最も退けた考え方。

選択肢の確認

①「人間は社会全体の利益という目的のためであれば、手段として利用されてもやむを得ないとした」
誤り。
誤答理由: 社会全体の利益のために人格を手段として道具化することは、人格の尊厳を無視するものとしてカントが最も退けた考え方である。

②「目的の国とは、経済的な利害によって結ばれた市場社会のことである」
誤り。
誤答理由: 目的の国は経済的利害の結合体ではなく、各人格が互いを目的として尊重し合う道徳的な理想の共同体である。

③「人格の尊厳は、その人の社会的な業績や有用性の大きさによって決まるとした」
誤り。
誤答理由: 人格の尊厳は業績や有用性によらず、道徳法則の主体であることそのものに基づく。価格と尊厳の区別がカントの論点である。

④「人格を単に手段としてのみ扱わず常に同時に目的として扱えと説き、そのような人格の共同体を目的の国と呼んだ」
正しい。
正解。カントは人格を単に手段としてのみ扱わず常に同時に目的として扱えと命じ、人格が互いに尊重し合う共同体を目的の国と呼んだ。

覚えるポイント

  • 人格=道徳法則の主体であり尊厳を持つ
  • 人格を単に手段としてのみ扱わず常に同時に目的として扱え
  • 目的の国=人格が互いを尊重し合う理想の共同体

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 因果の向きを確認:時期が近いだけで結び付けず、「原因→政策・行動→結果」の順に置き、主体と目的がつながるかを確かめる。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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