RN9-032公共・倫理 対策問題

倫理B 西洋近現代思想(4) ドイツ観念論と功利主義

人を道徳的な行為へと導く力(制裁)についてのベンサムとミルの考え方の比較として最も適切なものはどれか。

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正解: 2

正解

ベンサムは法律による処罰などの外的制裁を重視したのに対し、ミルは良心の呵責という内的制裁を重視した

この問題のポイント

功利主義における制裁(サンクション)の対比。外的制裁のベンサム、内的制裁のミルという対応を問う。

解説

功利主義では、人はそのままでは自分の快楽を優先しがちなので、社会全体の幸福に向かわせる強制力が必要になる。これが制裁(サンクション)である。
ベンサムは、物理的・政治的(法律的)・道徳的・宗教的という
四つの制裁
を挙げ、中でも法律による処罰という外的制裁を最も重視した。刑罰の苦痛を計算に入れることで、人々の行為を最大幸福の方向へ導けると考えたのである。
一方ミルは、人間の内面にある良心に注目した。社会全体の幸福に反する行いをしたときに感じる良心の呵責、すなわち内的制裁こそが道徳の基盤だとした。
ミルが人間の利他的な感情や品位を重んじたことは、快楽の質を重視した立場とも一貫している。

ひっかけポイント
外的と内的の対応の入れ替えが定番。快楽計算・立法重視のベンサムが外的制裁、良心と品位のミルが内的制裁と結びつく。

選択肢の確認

①「両者はともに、宗教的制裁だけが人間を道徳的行為に導くと考えた」
誤り。
誤答理由: 宗教的制裁はベンサムの挙げた四つの制裁の一つにすぎず、両者がそれのみを重視したという説明は誤りである。

②「ベンサムは法律による処罰などの外的制裁を重視したのに対し、ミルは良心の呵責という内的制裁を重視した」
正しい。
正解。ベンサムは四つの制裁のうち法律的な処罰という外的制裁を重視し、ミルは社会全体の幸福に反したときの良心の呵責という内的制裁を重視した。

③「ベンサムは良心による内的制裁を重視したのに対し、ミルは法律による外的制裁を重視した」
誤り。
誤答理由: 外的と内的の対応が逆である。立法による統制を重んじたベンサムが外的制裁、良心を重んじたミルが内的制裁である。

④「両者はともに、制裁は人間の自由を損なうものであるから一切不要だと考えた」
誤り。
誤答理由: 両者とも、人々の行為を社会全体の幸福へ向かわせるために制裁が必要だと考えており、制裁を不要とする立場ではない。

覚えるポイント

  • 制裁は行為を最大幸福へ導く強制力
  • ベンサムは四つの制裁のうち法律的(外的)制裁を重視
  • ミルは良心の呵責という内的制裁を重視

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 比較軸をそろえる:二つの時代・地域を、政治の担い手、土地・税制、対外関係、社会への影響など同じ軸で比べ、共通点と相違点を混同しない。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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