RN9-031公共・倫理 対策問題

倫理B 西洋近現代思想(4) ドイツ観念論と功利主義

功利主義を説いたベンサムとミルの立場の比較についての説明として最も適切なものはどれか。

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正解: 3

正解

ベンサムは快楽を量的に計算できると考えたのに対し、ミルは快楽に質の違いを認め、精神的快楽を重視した

この問題のポイント

量的功利主義と質的功利主義の対比。功利主義の枠組みを共有しながら、快楽のとらえ方が異なるという継承と修正の関係が問われる。

解説

ベンサムミルは、行為の善悪を幸福(快楽)という結果で判断する功利主義の立場を共有する。「最大多数の最大幸福」を道徳と立法の基準とした点も共通である。
しかし快楽のとらえ方が異なる。ベンサムは快楽を強さ・持続性などの基準で量的に計算できるとし、快楽の間の質の差を認めなかった(量的功利主義)。
これに対しミルは、「満足した豚であるより不満足な人間である方がよい」と述べ、感覚的快楽よりも質の高い精神的快楽を重んじる質的功利主義を説いた。人間には尊厳の感覚があり、高級な快楽を選ぶ能力があるとしたのである。
ミルはベンサムの単純な継承者ではなく、その修正者であるという関係をつかむことが大切である。

ひっかけポイント
量と質の対応を入れ替える誤答が定番。ベンサム=量的計算、ミル=質の重視という対応を固定して覚える。

選択肢の確認

①「両者はともに、幸福や快楽は道徳の基準にならないとして、義務に基づく動機の善さを重視した」
誤り。
誤答理由: 動機の善さを重視するのはカントの義務論であり、両者はともに幸福という結果を基準とする功利主義の立場に立つ。

②「ベンサムは幸福の追求そのものを否定したのに対し、ミルは最大多数の最大幸福を初めて提唱した」
誤り。
誤答理由: ベンサムは幸福の追求を道徳の基礎としており、最大多数の最大幸福を基準として掲げたのもベンサムである。

③「ベンサムは快楽を量的に計算できると考えたのに対し、ミルは快楽に質の違いを認め、精神的快楽を重視した」
正しい。
正解。ベンサムは快楽を強さや持続性で量的に計算できるとしたのに対し、ミルは満足した豚より不満足な人間がよいと述べ、快楽の質の違いと精神的快楽を重視した。

④「ベンサムは快楽の質の違いを重視したのに対し、ミルは快楽をすべて量的な計算に還元した」
誤り。
誤答理由: 量と質の対応が逆である。快楽計算のベンサムが量的功利主義、質の差を認めたミルが質的功利主義である。

覚えるポイント

  • 両者とも最大多数の最大幸福を基準とする功利主義
  • ベンサムは量的功利主義(快楽計算)
  • ミルは質的功利主義(精神的快楽の重視)

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 比較軸をそろえる:二つの時代・地域を、政治の担い手、土地・税制、対外関係、社会への影響など同じ軸で比べ、共通点と相違点を混同しない。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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