RN6-055公共・倫理 対策問題

倫理B 西洋近現代思想(4) ドイツ観念論と功利主義

ベンサムの功利主義についての説明として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る

正解: 4

正解

快楽を増し苦痛を減らす行為を善とみなし、「最大多数の最大幸福」を道徳と立法の原理とした

この問題のポイント

功利主義の創始者ベンサムの基本原理を問う問題。功利性の原理と「最大多数の最大幸福」という標語をおさえる。

解説

イギリスの思想家ベンサムは、『道徳および立法の諸原理序説』で功利主義を体系化した。
人間は生まれつき快楽を求め苦痛を避ける存在である。この事実から出発し、快楽(幸福)をもたらす行為が善、苦痛をもたらす行為が悪であるとする功利性の原理を道徳の基準に据えた。
社会は個人の集合体であるから、社会全体の幸福とは個々人の幸福の総和である。したがって、政治や立法は、できるだけ多くの人にできるだけ多くの幸福をもたらすこと、すなわち「最大多数の最大幸福」を目指すべきだとされた。
各人の幸福を平等に一人分として数えるこの思想は、身分や特権にとらわれない社会改革・選挙法改正の理論的支柱となり、近代民主主義の発展を支えた。

ひっかけポイント
動機の純粋さを基準とするのはカント、快楽の質を重視するのはミル。ベンサムは結果としての幸福の量を基準とした点をおさえる。

選択肢の確認

①「行為の善さは、結果とは無関係に動機の純粋さだけによって決まるとした」
誤り。
誤答理由: 結果と無関係に動機の純粋さで善悪を判断するのはカントの動機主義であり、結果の幸福を基準とするベンサムとは対立する。

②「快楽には質の高低があり、量よりも質を重視すべきだとした」
誤り。
誤答理由: 快楽の質の高低を重視したのはミルであり、ベンサムは快楽をすべて同質とみて量的に計算できるとした。

③「幸福は選ばれた少数の人々だけが享受すべきものだとした」
誤り。
誤答理由: ベンサムは各人の幸福を平等に一人分として数えた。幸福を少数者に限る考えは最大多数の最大幸福と正反対である。

④「快楽を増し苦痛を減らす行為を善とみなし、「最大多数の最大幸福」を道徳と立法の原理とした」
正しい。
正解。ベンサムは快楽を増し苦痛を減らす行為を善とする功利性の原理に立ち、最大多数の最大幸福を道徳と立法の原理とした。

覚えるポイント

  • ベンサム=功利性の原理・最大多数の最大幸福
  • 快楽と苦痛という結果が善悪の基準(帰結主義)
  • 各人を平等に一人と数え社会改革を支えた

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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