KO-A2-03|公共・倫理 対策問題
ベンサムの功利主義の説明として最も適切なものはどれか。
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正解: 3
正解
快楽をもたらす行為を善とし、最大多数の最大幸福を社会の指導原理とした
この問題のポイント
ベンサムの量的功利主義を問う問題。「最大多数の最大幸福」「快楽計算」をキーワードに、カント・ミル・ロールズと区別できるかが鍵。
解説
18〜19世紀イギリスのベンサムは、人間は快楽を求め苦痛を避ける存在だという事実から出発し、快楽をもたらす行為が善、苦痛をもたらす行為が悪だとする功利主義を打ち立てた。
快楽は強さ・持続性・確実性などの基準で量として計算できると考えた(快楽計算)。そして社会の善し悪しは、そこに属する一人ひとりの快楽の総和で決まるとし、「最大多数の最大幸福」を立法や政治の指導原理に掲げた。
また人々を幸福へ導く外的な強制力として、物理的・政治的(法律的)・道徳的・宗教的の4つの制裁(サンクション)を挙げた。
この考え方は、行為を結果で評価する帰結主義の代表であり、行為の動機(義務)を重視するカントの義務論と対比される。弟子の世代にあたるミルは、快楽の質的な差を認めて功利主義を修正した。
ひっかけポイント
動機重視はカント、快楽の質的差と「満足した豚」の言葉はミル、無知のヴェールはロールズ。ベンサム(量)とミル(質)の区別が最頻出。
選択肢の確認
①「快楽には質的な差があるとし、満足した豚であるより不満足な人間である方がよいと述べた」
❌ 誤り。
誤答理由: 快楽の質的差を認め「満足した豚より不満足な人間」と述べたのはミルである。ベンサムは快楽を量として計算できるとした。
②「無知のヴェールの下で人々が合意する原理こそ正義の原理であると論じた」
❌ 誤り。
誤答理由: 無知のヴェールの下で正義の原理を導いたのは20世紀のロールズであり、功利主義を批判した思想家である。
③「快楽をもたらす行為を善とし、最大多数の最大幸福を社会の指導原理とした」
✅ 正しい。
正解。ベンサムは快楽をもたらす行為を善とし、快楽計算に基づく「最大多数の最大幸福」を立法・政治の指導原理とした。
④「行為の結果ではなく動機を重視し、義務に基づく行為だけが道徳的価値をもつとした」
❌ 誤り。
誤答理由: 結果ではなく動機を重視し、義務に基づく行為に道徳的価値を認めるのはカントの義務論であり、帰結主義のベンサムと対立する立場である。
覚えるポイント
- ベンサム=量的功利主義、快楽計算が可能とした
- 社会の原理は最大多数の最大幸福
- 結果重視(帰結主義)でカントの動機重視と対比
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。