RN9-038公共・倫理 対策問題

倫理B 西洋近現代思想(4) ドイツ観念論と功利主義

行為の善悪の判断についてのカントと功利主義(ベンサム)の立場の比較として最も適切なものはどれか。

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正解: 4

正解

カントは行為の善悪を義務に従う動機によって判断したのに対し、ベンサムは行為がもたらす幸福という結果によって判断した

この問題のポイント

動機主義と帰結主義(結果説)という倫理学の二大立場の対比。義務論のカントと功利主義のベンサムの判断基準の違いが問われる。

解説

行為の善悪をどこで判断するかについて、近代倫理学には対照的な二つの立場がある。
カントは、行為の善さは結果に左右されないとした。同情からでも打算からでもなく、義務であるから義務を果たすという善意志(動機)だけが無条件に善である。道徳法則は結果を問わず無条件に命じる定言命法の形をとる。この立場を動機主義(義務論)という。
一方
ベンサム
の功利主義は、行為の善悪をその行為が生み出す快楽・幸福という結果で判断する。同じ寄付でも、動機が名誉欲であっても多くの幸福を生めば善い行為と評価されうる。この立場を**帰結主義(結果説)**という。
現代の生命倫理や公共政策の議論でも、この二つの立場の対立は判断の枠組みとして繰り返し登場する。

ひっかけポイント
動機と結果の対応の入れ替えが定番。義務・善意志のカント=動機主義、快楽計算のベンサム=帰結主義と対応させる。

選択肢の確認

①「カントは行為の結果の幸福を重視したのに対し、ベンサムは動機の善さだけを重視した」
誤り。
誤答理由: 動機と結果の対応が逆である。動機主義がカント、帰結主義がベンサムである。

②「両者はともに、行為の善悪は多数決によって決まる社会の約束事にすぎないと考えた」
誤り。
誤答理由: カントは道徳法則の普遍性を、ベンサムは幸福という客観的基準を掲げており、多数決による約束事とする説明はどちらにも当てはまらない。

③「両者はともに、人間の行為の善悪を判断する基準は存在しないと考えた」
誤り。
誤答理由: 両者はそれぞれ明確な判断基準(善意志・最大幸福)を示しており、基準は存在しないという説明は正反対である。

④「カントは行為の善悪を義務に従う動機によって判断したのに対し、ベンサムは行為がもたらす幸福という結果によって判断した」
正しい。
正解。カントは義務に従う善意志という動機で善悪を判断する動機主義、ベンサムは行為が生む幸福という結果で判断する帰結主義であり、倫理学の二大立場をなす。

覚えるポイント

  • カントは動機主義(義務論)で善意志を重視
  • ベンサムは帰結主義で幸福という結果を重視
  • 現代の応用倫理でも両者の対立枠組みが使われる

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 比較軸をそろえる:二つの時代・地域を、政治の担い手、土地・税制、対外関係、社会への影響など同じ軸で比べ、共通点と相違点を混同しない。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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