RN9-039公共・倫理 対策問題

倫理B 西洋近現代思想(6) 実存主義とプラグマティズム

実存主義の先駆者とされるキルケゴールとニーチェの立場の比較として最も適切なものはどれか。

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正解: 3

正解

キルケゴールは絶望の中で単独者として神への信仰に生きることを説いたのに対し、ニーチェは神は死んだと宣言し、自ら価値を創造する超人を理想とした

この問題のポイント

同じ実存主義の先駆者でも、危機への応答が信仰への飛躍(キルケゴール)と神なき価値創造(ニーチェ)へと正反対に分かれる対比を問う。

解説

二人はともに19世紀に、平均化した大衆社会や客観的な理性の体系(ヘーゲル哲学)に反発し、かけがえのないこの私の実存を問うた実存主義の先駆者である。
しかし応答の方向は対照的である。キルケゴールは、絶望(死に至る病)を深めた果てに、世間から切り離された単独者として神の前に立ち、信仰へと飛躍する宗教的実存に本来の自己の回復を見いだした。
一方ニーチェは「神は死んだ」と宣言し、キリスト教的価値の崩壊によるニヒリズムを直視した。彼は神にすがるのではなく、力への意志に基づいて自ら新しい価値を創造し、永劫回帰の運命を愛しつつ自己を乗り越える超人を理想とした。
信仰の内か外かという違いはあるが、どちらも実存の主体的な決断を重んじた点で共通する。

ひっかけポイント
信仰への飛躍と神の死の宣言を入れ替える誤答が定番。有神論的実存主義のキルケゴール、無神論的方向のニーチェと整理する。

選択肢の確認

①「両者はともに、普遍的な理性の体系によって世界のすべてを説明しようとした」
誤り。
誤答理由: 普遍的な理性の体系を築こうとしたのはヘーゲルであり、両者はむしろそうした体系への反発から個の実存を問うた。

②「両者はともに、個人の主体的な生き方よりも社会全体の幸福の増大を重視した」
誤り。
誤答理由: 社会全体の幸福の増大を基準とするのは功利主義であり、主体的な生き方を重んじた両者の実存主義とは問題意識が異なる。

③「キルケゴールは絶望の中で単独者として神への信仰に生きることを説いたのに対し、ニーチェは神は死んだと宣言し、自ら価値を創造する超人を理想とした」
正しい。
正解。キルケゴールは絶望を経て単独者として神の前に立つ宗教的実存を説き、ニーチェは神は死んだと宣言してニヒリズムを直視し、価値を創造する超人を理想とした。

④「キルケゴールは神の死を宣言したのに対し、ニーチェは神の前の単独者として信仰に飛躍することを説いた」
誤り。
誤答理由: 神の死の宣言と信仰への飛躍の担い手が逆である。信仰の回復がキルケゴール、神なき価値創造がニーチェである。

覚えるポイント

  • キルケゴールは単独者として神の前に立つ
  • ニーチェは神は死んだ・超人・永劫回帰
  • ともにヘーゲル的な理性の体系への反発から出発

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 比較軸をそろえる:二つの時代・地域を、政治の担い手、土地・税制、対外関係、社会への影響など同じ軸で比べ、共通点と相違点を混同しない。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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