RN8-001|公共・倫理 対策問題
キルケゴールが説いた実存の三段階の説明として最も適切なものはどれか。
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正解: 3
正解
美的実存から倫理的実存を経て、単独者として神の前に立つ宗教的実存へと深まる
この問題のポイント
キルケゴールの実存の三段階の順序を問う。美的→倫理的→宗教的という深まりの順と、各段階が絶望・挫折を経て次へ進む構造がポイント。
解説
キルケゴールは19世紀デンマークの思想家で、実存主義の先駆者とされる。彼はヘーゲルの説くような客観的・普遍的な体系ではなく、「私がそのために生き、そして死ぬことを願うような真理」、すなわち主体的真理を求めた。
その実存の深まりが実存の三段階である。第一の美的実存は、快楽を追い求めて「あれもこれも」と享楽的に生きる段階だが、やがて空虚と絶望に陥る。第二の倫理的実存は、良心に従い義務を果たそうと「あれか、これか」の決断をして誠実に生きる段階だが、自己の無力さに直面して挫折する。そして第三の宗教的実存において、人はただひとり単独者として神の前に立ち、信仰へと飛躍することで本来の自己を取り戻す。
主著に『あれか、これか』『死に至る病』がある。段階の順序の入れ替えが定番のひっかけである。
ひっかけポイント
順序を逆にした選択肢や、ヘーゲル・サルトル風の用語(絶対精神・即自と対自)を混ぜた選択肢に注意。美的→倫理的→宗教的、最終段階は神の前の単独者、と覚える。
選択肢の確認
①「即自存在から対自存在を経て、即自かつ対自の絶対精神へと発展する」
❌ 誤り。
即自存在・対自存在はサルトルらの用語、絶対精神への発展はヘーゲルの図式であり、キルケゴールの三段階ではない。
②「美的実存にとどまり快楽を追求し続けることが最も本来的な生き方である」
❌ 誤り。
美的実存は快楽を追って空虚と絶望に陥る最初の段階であり、そこにとどまることは本来的な生き方とされない。
③「美的実存から倫理的実存を経て、単独者として神の前に立つ宗教的実存へと深まる」
✅ 正しい。
正解。キルケゴールの実存の三段階は、享楽に生きる美的実存から、義務に生きる倫理的実存を経て、単独者として神の前に立つ宗教的実存へと深まる。
④「宗教的実存から倫理的実存を経て、快楽を楽しむ美的実存へと深まる」
❌ 誤り。
順序が逆である。宗教的実存は絶望と挫折を経てたどり着く最後の段階であり、出発点ではない。
覚えるポイント
- キルケゴールは実存主義の先駆者、主体的真理を追求
- 三段階は美的実存→倫理的実存→宗教的実存
- 宗教的実存では単独者として神の前に立つ
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。