RN8-003公共・倫理 対策問題

倫理B 西洋近現代思想(6) 実存主義とプラグマティズム

キルケゴールの著作『死に至る病』で論じられる「死に至る病」の意味として最も適切なものはどれか。

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正解: 1

正解

自己を見失い、神との関係を失った状態としての絶望のこと

この問題のポイント

『死に至る病』というタイトルの意味を問う。肉体の病ではなく、精神のあり方としての絶望を指すことがポイント。

解説

キルケゴールの主著『死に至る病』は、「死に至る病とは絶望のことである」と論じる。ここでいう絶望とは、単なる落胆ではなく、本来の自己を見失い、自己を支える神との関係を失った精神の状態を指す。
人間は、有限と無限、時間と永遠といった対立する要素の総合として生きる存在であり、そのバランスを自分だけで保つことはできない。絶望のうちには、自分が絶望していることに気づかない絶望から、自己であろうとして果たせない絶望まで、さまざまな段階がある。
この絶望は肉体の死をもたらす病ではないが、生きながら精神が死んでいくという意味で「死に至る病」と呼ばれる。絶望から抜け出す道は、単独者として神の前に立ち、信仰によって神との関係を回復することに求められた。実存の三段階でいえば、宗教的実存への飛躍に対応する。

ひっかけポイント
死への先駆的覚悟はハイデガーの死への存在の考え方で、キルケゴールの絶望とは別物。『死に至る病』=絶望、と直結させて覚える。

選択肢の確認

①「自己を見失い、神との関係を失った状態としての絶望のこと」
正しい。
正解。『死に至る病』の死に至る病とは絶望のことであり、自己を見失い神との関係を失った精神の状態を指す。

②「医学では治療できない身体の病のこと」
誤り。
肉体の病のことではない。生きながら精神が死んでいくという意味の比喩であり、医学上の病気を論じた書ではない。

③「自らの死を先駆的に覚悟して本来的な自己に立ち返ること」
誤り。
死への先駆的覚悟によって本来的自己に立ち返るというのはハイデガーの死への存在の思想であり、キルケゴールの絶望論ではない。

④「快楽を追求し尽くした末に生じる一時的な倦怠のこと」
誤り。
一時的な倦怠ではなく、自己と神との関係の喪失という深い精神のあり方を指す概念である。

覚えるポイント

  • 死に至る病とは絶望のこと
  • 絶望は自己と神との関係を見失った精神の状態
  • 回復の道は単独者として神の前に立つ信仰

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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