RN8-014|公共・倫理 対策問題
「人は女に生まれるのではない、女になるのだ」と述べた思想家とその著作の組合せとして正しいものはどれか。
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正解: 3
正解
ボーヴォワール『第二の性』
この問題のポイント
フェミニズム思想の古典となった言葉の出典を問う。ボーヴォワールと『第二の性』の組合せ、および言葉の意味の理解がポイント。
解説
ボーヴォワールは20世紀フランスの作家・思想家で、サルトルの終生のパートナーとしても知られる。主著『第二の性』に記されたのが、「人は女に生まれるのではない、女になるのだ」という有名な言葉である。
その意味は、女らしさとされる性質や役割は、生まれつきの生物学的な宿命ではなく、育てられ方や教育、社会の期待や制度を通じて後天的に作られるということである。女性は歴史の中で、男性を主体・基準とする社会の第二の性、すなわち他者の位置に置かれてきた、と彼女は分析した。
この思想は、実存主義の「実存は本質に先立つ」という人間観を女性の生き方に徹底したものといえる。女に生まれついた本質などない以上、女性も自らの選択によって自分の生を作ることができる。この主張は、のちのフェミニズム運動とジェンダー(社会的・文化的に作られた性差)論の出発点となった。
ひっかけポイント
サルトルやアーレントなど同時代の思想家との著者の取り違えを狙う出題が多い。この言葉=ボーヴォワール=『第二の性』、と三点セットで固定する。
選択肢の確認
①「アーレント『人間の条件』」
❌ 誤り。
アーレント『人間の条件』は労働・仕事・活動を論じた政治哲学の書であり、この言葉とは関係がない。
②「ウルストンクラフト『女性の権利の擁護』」
❌ 誤り。
ウルストンクラフトは18世紀イギリスの女性の権利の先駆的思想家だが、この言葉は20世紀のボーヴォワールのものである。
③「ボーヴォワール『第二の性』」
✅ 正しい。
正解。この言葉はボーヴォワール『第二の性』の有名な一節で、女らしさが生得の本質ではなく社会的に作られることを示した。
④「サルトル『存在と無』」
❌ 誤り。
サルトル『存在と無』は実存主義の哲学的主著だが、この言葉の出典ではない。ボーヴォワールはサルトルのパートナーであった。
覚えるポイント
- ボーヴォワールの主著は『第二の性』
- 女らしさは生得の本質ではなく社会的に作られる
- 実存主義の人間観をふまえたフェミニズムの古典
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 文を分解して判定:組合せを一度に選ばず、人物と政策、地域と制度などを一組ずつ○×判定する。確実に誤る一組を含む選択肢から消す。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。