RN8-013公共・倫理 対策問題

倫理B 西洋近現代思想(6) 実存主義とプラグマティズム

サルトルのいうアンガージュマンの説明として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る

正解: 4

正解

自らを社会の状況の中に拘束し、社会の変革に主体的に参加していくこと

この問題のポイント

アンガージュマンの意味を問う。自由な選択の責任が社会への参加・行動として果たされる、という実存主義と社会運動の結びつきが核心。

解説

アンガージュマンは、もともと「拘束」「契約」を意味するフランス語で、サルトルはこれを、自分を社会の状況の中に投げ入れ、束縛し、社会に参加していく生き方を指す言葉として用いた。
サルトルによれば、人間は自由であり、選択の責任は全人類に及ぶ。だとすれば、戦争や植民地支配、貧困や差別といった時代の問題を前にして、中立や傍観を決め込むことも、実はひとつの選択である。逃げ場がない以上、自らの自由を、社会をよりよく変革する行動に振り向けるべきだと彼は考えた。
サルトル自身、レジスタンスへの参加、植民地支配への反対、平和運動など、生涯にわたって知識人の社会参加を実践した。実存主義が個人の内面にとどまらず、社会変革の思想として戦後世界の若者に広く受け入れられた理由が、このアンガージュマンの思想にある。

ひっかけポイント
内面の平静への引きこもりや傍観は、サルトルからみれば責任の放棄という選択にほかならない。国家への無条件服従とも正反対で、自発的な参加である点が核心。

選択肢の確認

①「社会から距離を置き、ひたすら内面の平静を保って生きること」
誤り。
内面の平静を保つための社会からの引きこもりは、サルトルからみれば責任を放棄するひとつの選択にすぎず、彼の説くところではない。

②「国家の命令に無条件に従って公共の義務を果たすこと」
誤り。
国家の命令への無条件の服従は自発的な参加ではなく、自由な選択を核とするアンガージュマンとは相いれない。

③「現実の政治には関わらず、芸術の創作のみに専念すること」
誤り。
政治を避けて芸術に専念する態度は、状況への関与を説いたサルトルの知識人像と正反対である。

④「自らを社会の状況の中に拘束し、社会の変革に主体的に参加していくこと」
正しい。
正解。アンガージュマンとは、自らを社会の状況に拘束し、社会の変革に主体的に参加していくことを指すサルトルの言葉である。

覚えるポイント

  • アンガージュマン=社会参加・自己拘束
  • 自由の責任を社会変革への行動で果たす
  • サルトル自身が知識人の社会参加を実践

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

関連問題

RN8-012RN8-014