RN9-040公共・倫理 対策問題

倫理B 西洋近現代思想(6) 実存主義とプラグマティズム

20世紀の実存の思想家ハイデガーとサルトルの立場の比較として最も適切なものはどれか。

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正解: 3

正解

ハイデガーは人間を死への存在ととらえ死の自覚による本来的な生への立ち返りを説いたのに対し、サルトルは実存は本質に先立つとして自由な選択と社会参加を説いた

この問題のポイント

20世紀実存思想の二人の対比。死の自覚から本来性へ(ハイデガー)、自由な選択から社会参加へ(サルトル)という力点の違いが問われる。

解説

ハイデガーは『存在と時間』で、人間を、自らの存在の意味を問う現存在(ダーザイン)ととらえた。日常の人間は、世間並みのひと(ダス・マン)に埋没して自己を見失っている。
しかし人間は本質的に
死への存在
であり、誰も代わることのできない自らの死を自覚して先駆けるとき、本来的な自己の生き方に立ち返ることができるとした。
一方サルトルは「実存は本質に先立つ」と述べ、人間にはあらかじめ決められた本質はなく、自由な選択によって自己を作り上げるとした。人間は自由の刑に処せられており、選択は全人類への責任を伴う。ここから彼は**アンガージュマン(社会参加)**を説き、現実の社会運動にも関わった。
死の自覚という個の内面に向かうハイデガーと、選択の責任から社会へ向かうサルトルという方向の違いを押さえたい。

ひっかけポイント
死への存在とアンガージュマンの担い手の入れ替えが定番。『存在と時間』のハイデガー、社会参加のサルトルと対応させる。

選択肢の確認

①「両者はともに、人間のあり方は生まれつきの本質によって完全に決定されていると考えた」
誤り。
誤答理由: 本質による決定を否定して自由や本来性を問うのが両者の実存思想であり、生まれつきの本質で決まるという説明は正反対である。

②「両者はともに、日常の世間のあり方に埋没して生きることこそ人間の本来的な姿だと考えた」
誤り。
誤答理由: ハイデガーは世間のひと(ダス・マン)への埋没を非本来的なあり方として批判しており、埋没を本来の姿とする説明は逆である。

③「ハイデガーは人間を死への存在ととらえ死の自覚による本来的な生への立ち返りを説いたのに対し、サルトルは実存は本質に先立つとして自由な選択と社会参加を説いた」
正しい。
正解。ハイデガーは現存在の死への存在という性格の自覚から本来的な生への立ち返りを説き、サルトルは実存は本質に先立つとして自由な選択とアンガージュマンを説いた。

④「ハイデガーは実存は本質に先立つと主張したのに対し、サルトルは死への存在の自覚を説いた」
誤り。
誤答理由: 二人の主張が入れ替わっている。実存は本質に先立つはサルトルの言葉であり、死への存在はハイデガーの概念である。

覚えるポイント

  • ハイデガーは死への存在・ひとへの埋没からの回復
  • サルトルは実存は本質に先立つ・自由の刑
  • サルトルはアンガージュマンで社会参加へ向かう

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 比較軸をそろえる:二つの時代・地域を、政治の担い手、土地・税制、対外関係、社会への影響など同じ軸で比べ、共通点と相違点を混同しない。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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