RN9-041|公共・倫理 対策問題
正義をめぐるロールズとサンデルの立場の比較として最も適切なものはどれか。
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正解: 2
正解
ロールズは共同体から切り離された個人の合意から正義を導いたのに対し、サンデルは人間を共同体の物語に位置づけられた存在とみて共通善を重視した
この問題のポイント
リベラリズムと共同体主義(コミュニタリアニズム)の対立。サンデルによるロールズ批判の核心である自我のとらえ方の違いが問われる。
解説
ロールズは、自分の才能・地位・価値観を知らない無知のヴェールをかぶった個人が合意する原理として正義を構想した。ここで想定される個人は、共同体のしがらみや歴史から切り離された自由な選択主体である。
これに対し共同体主義(コミュニタリアニズム)のサンデルは、そのような負荷なき自我は虚構だと批判した。現実の人間は、家族や地域、国の歴史という共同体の物語の中に位置づけられ、そこから物事の善し悪しの感覚を身につけた状況づけられた自我である。
したがって正義は、共同体で共有される共通善についての議論と切り離せないとサンデルは主張する。個人の権利が先か、共同体の善が先かというこの論争は、現代正義論の中心的対立である。
ひっかけポイント
無知のヴェールと共通善の担い手の入れ替えが定番。手続き的正義のロールズ、負荷なき自我批判のサンデルと対応させる。
選択肢の確認
①「両者はともに、正義について論じること自体が無意味であると考えた」
❌ 誤り。
誤答理由: 両者は正義の内容と根拠をめぐって真剣に論争しており、正義を論じること自体を無意味とする説明はどちらにも当てはまらない。
②「ロールズは共同体から切り離された個人の合意から正義を導いたのに対し、サンデルは人間を共同体の物語に位置づけられた存在とみて共通善を重視した」
✅ 正しい。
正解。ロールズは無知のヴェールで共同体から切り離した個人の合意から正義を導き、サンデルはそのような負荷なき自我を虚構と批判して、共同体の物語と共通善を重視した。
③「ロールズは共同体の伝統的な共通善を正義の基礎としたのに対し、サンデルは無知のヴェールの思考実験から正義の原理を導いた」
❌ 誤り。
誤答理由: 両者の立場が入れ替わっている。無知のヴェールの思考実験はロールズ、共同体の共通善の重視はサンデルである。
④「両者はともに、正義よりも社会全体の幸福の総量の最大化を優先すべきだと考えた」
❌ 誤り。
誤答理由: 幸福の総量の最大化は功利主義の立場であり、ロールズはこれを批判し、サンデルもこの立場には立たない。
覚えるポイント
- ロールズは無知のヴェールによる公正な合意
- サンデルは負荷なき自我を批判した共同体主義
- 共通善と共同体の物語がサンデルのキーワード
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 比較軸をそろえる:二つの時代・地域を、政治の担い手、土地・税制、対外関係、社会への影響など同じ軸で比べ、共通点と相違点を混同しない。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。