RN9-042公共・倫理 対策問題

倫理B 西洋近現代思想(7) 現代の思想

平等な社会の実現をめぐるロールズとセンの立場の比較として最も適切なものはどれか。

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正解: 1

正解

ロールズは自由や富などの基本財の公正な分配を重視したのに対し、センは財を用いて実際に何ができるかという潜在能力の平等を重視した

この問題のポイント

分配の平等をめぐる現代的展開。基本財の分配(ロールズ)から潜在能力の平等(セン)への視点の転換が問われる。

解説

ロールズの正義論は、自由・機会・所得・富など、誰もが人生の計画に必要とする基本財の公正な分配を問題にした。格差原理も、最も不遇な人々の基本財の取り分を改善するための原理である。
これに対しインド出身の経済学者センは、同じ財を持っていても、障害の有無や健康状態、社会環境によって、それを使って実現できる生き方は人によって異なると指摘した。
重要なのは財そのものではなく、財を用いて「何であることができ、何をなしうるか」という潜在能力(ケイパビリティ)である。福祉の目的は、教育を受ける、健康である、社会に参加するといった選択肢の幅、すなわち潜在能力の平等の実現に置かれるべきだとした。
センの考え方は、国連開発計画の
人間開発指数
などに生かされ、福祉や開発の政策に大きな影響を与えている。

ひっかけポイント
基本財と潜在能力の担い手の入れ替えが定番。財の分配のロールズを、財の活用能力に注目して修正したのがセンという関係で覚える。

選択肢の確認

①「ロールズは自由や富などの基本財の公正な分配を重視したのに対し、センは財を用いて実際に何ができるかという潜在能力の平等を重視した」
正しい。
正解。ロールズは自由・機会・所得など基本財の公正な分配を正義の問題としたのに対し、センは財を使って実現できる生き方の幅である潜在能力(ケイパビリティ)の平等を重視した。

②「ロールズは潜在能力の平等を提唱したのに対し、センは基本財の分配だけを問題にした」
誤り。
誤答理由: 基本財と潜在能力の担い手が逆である。基本財の分配がロールズ、潜在能力の平等がセンである。

③「両者はともに、平等の実現よりも経済成長の最大化こそが正義であると考えた」
誤り。
誤答理由: 両者はともに分配の公正や福祉を正義の中心問題としており、経済成長の最大化を正義とする立場ではない。

④「両者はともに、政府はいかなる再分配も行うべきではないと考えた」
誤り。
誤答理由: ロールズの格差原理は再分配を正義の観点から根拠づけるものであり、センも福祉の実現を重視する。再分配の全面否定はリバタリアニズムの立場である。

覚えるポイント

  • ロールズは基本財の公正な分配を重視
  • センは潜在能力(ケイパビリティ)の平等を提唱
  • センの思想は人間開発指数に影響

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 比較軸をそろえる:二つの時代・地域を、政治の担い手、土地・税制、対外関係、社会への影響など同じ軸で比べ、共通点と相違点を混同しない。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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