RN9-035|公共・倫理 対策問題
社会契約説を唱えたホッブズとロックの立場の比較として最も適切なものはどれか。
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正解: 3
正解
ホッブズは自然状態を万人の万人に対する闘争ととらえたのに対し、ロックは比較的平和な状態とみて、自然権の保障を確実にするために契約で政府をつくると考えた
この問題のポイント
自然状態のとらえ方の違いが、絶対的主権(ホッブズ)と制限された政府・抵抗権(ロック)という結論の違いにつながる論理を問う。
解説
社会契約説は自然状態の想定によって結論が変わる。ホッブズは、自然状態を各人が自然権を無制限に行使し合う「万人の万人に対する闘争」とみた。だからこそ人々は自然権を主権者に全面的に譲渡し、その絶対的な権力に服従することで平和を得るとした。
一方ロックは、自然状態でも人々は理性(自然法)に従い、生命・自由・財産(プロパティ)という自然権を持つ比較的平和な状態と考えた。ただし権利の侵害を裁く共通の権力がなく不安定なため、人々は自然権の保障をより確実にする目的で契約を結び、政府に権力を信託する。
したがって政府が信託に反して権利を侵害すれば、人民は**抵抗権(革命権)**を行使できる。この思想は名誉革命を擁護し、アメリカ独立宣言に影響を与えた。
ひっかけポイント
自然状態の性格づけの入れ替えが定番。闘争状態→全面譲渡がホッブズ、平和だが不安定→信託と抵抗権がロックという論理の流れで覚える。
選択肢の確認
①「両者はともに、政府が人民の権利を侵害した場合の抵抗権・革命権を強調した」
❌ 誤り。
誤答理由: 抵抗権・革命権を強調したのはロックであり、絶対的な主権への服従を説いたホッブズには当てはまらない。
②「両者はともに、国家は契約ではなく神の意志によって直接つくられたと考えた」
❌ 誤り。
誤答理由: 両者はともに国家の成立を人民の契約によって説明した社会契約説の論者であり、神の意志に求める王権神授説とは対立する。
③「ホッブズは自然状態を万人の万人に対する闘争ととらえたのに対し、ロックは比較的平和な状態とみて、自然権の保障を確実にするために契約で政府をつくると考えた」
✅ 正しい。
正解。ホッブズは自然状態を万人の万人に対する闘争とみて自然権の譲渡と絶対的主権を導き、ロックは比較的平和だが不安定な状態とみて、自然権保障のための信託として政府を構想した。
④「ホッブズは自然状態を平和な理想状態ととらえたのに対し、ロックは戦争状態とみて絶対的な主権者への服従を説いた」
❌ 誤り。
誤答理由: 自然状態の性格づけが逆である。闘争状態とみたのがホッブズ、比較的平和とみたのがロックであり、絶対的服従を説いたのはホッブズの側である。
覚えるポイント
- ホッブズは闘争状態から絶対的主権を導く
- ロックは自然権保障のための信託と抵抗権
- ロックの思想はアメリカ独立宣言に影響
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 比較軸をそろえる:二つの時代・地域を、政治の担い手、土地・税制、対外関係、社会への影響など同じ軸で比べ、共通点と相違点を混同しない。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。