RN6-032|公共・倫理 対策問題
ロックの社会契約説の説明として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 1
正解
生命・自由・財産という自然権の保障を政府に信託し、政府が権利を侵害すれば人民は抵抗権を行使できるとした
この問題のポイント
ロックの社会契約説の核心である信託と抵抗権を問う問題。譲渡(ホッブズ)ではなく信託である点が決定的な違いである。
解説
イギリスの哲学者ロックは、『統治二論(市民政府二論)』で社会契約説を展開した。
ロックの考える自然状態は、理性の法である自然法が支配する比較的自由で平和な状態であり、人々は生命・自由・財産という自然権を持つ。しかし権利の侵害を裁く共通の裁判官がいないため不安定さが残る。そこで人々は契約により政治社会をつくり、自然権の保障をより確実にするために、権力を政府に信託する。
権力はあくまで信託されたものであるから、政府が信託に背いて人民の権利を侵害した場合、人民には政府を取り替える抵抗権(革命権)が認められる。
この思想は名誉革命を正当化し、のちのアメリカ独立宣言にも受け継がれた。また立法権と執行権を分ける権力分立や、代表を通じて政治を行う間接民主制の考えも示している。
ひっかけポイント
ホッブズ=譲渡・抵抗否定、ロック=信託・抵抗権、という対比が最頻出。直接民主制のみを正当とするのはルソーである。
選択肢の確認
①「生命・自由・財産という自然権の保障を政府に信託し、政府が権利を侵害すれば人民は抵抗権を行使できるとした」
✅ 正しい。
正解。ロックは生命・自由・財産という自然権の保障のために権力を政府に信託し、政府が信託に背けば人民は抵抗権を持つとした。
②「人民は自然権を主権者に全面的に譲渡したのだから、いかなる場合も政府に抵抗してはならないとした」
❌ 誤り。
誤答理由: 自然権の全面譲渡と抵抗の否定はホッブズの学説である。ロックの契約はあくまで撤回可能な信託である。
③「主権は代表できないので、人民が直接立法に参加する直接民主制のみが正当だとした」
❌ 誤り。
誤答理由: 主権の代表を否定して直接民主制のみを正当とするのはルソーであり、ロックは代表による間接民主制を認めた。
④「自然状態は闘争状態であるため、絶対的な権力をもつ国家が必要だとした」
❌ 誤り。
誤答理由: 自然状態を闘争状態とみて絶対的権力を必要としたのはホッブズである。ロックの自然状態は比較的平和な状態である。
覚えるポイント
- ロック=『統治二論』・自然権は生命・自由・財産
- 権力は信託であり、侵害されれば抵抗権を行使できる
- 名誉革命の正当化とアメリカ独立宣言への影響
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。