RN6-033|公共・倫理 対策問題
ロックの政治思想が後世に与えた影響の説明として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 4
正解
名誉革命を正当化するとともに、その信託と抵抗権の思想はアメリカ独立宣言に大きな影響を与えた
この問題のポイント
ロックの思想と市民革命との結びつきを問う問題。名誉革命の正当化とアメリカ独立宣言への影響という二つの接点をおさえる。
解説
ロックの『統治二論』は、1688〜89年の名誉革命の前後に公刊され、専制化した国王を人民が交代させたこの革命を、信託に背いた政府に対する抵抗権の正当な行使として理論的に正当化する役割を果たした。
さらにロックの思想は大西洋を越えて影響を及ぼした。1776年のアメリカ独立宣言は、人間が生まれながらに生命・自由・幸福追求の権利を持つこと、政府の正当な権力は被治者の同意に由来すること、政府がこれらの権利を破壊するときは人民がそれを改廃できることをうたっており、ロックの自然権思想と抵抗権の論理をほぼそのまま受け継いでいる。
個人の権利を守るために政府があるという発想は、近代立憲主義と民主政治の基本原理となった。
ひっかけポイント
ロックは絶対王政や王権神授説を批判した側である。フィルマーの王権神授説への反駁が『統治二論』前編の内容であることも知っておくとよい。
選択肢の確認
①「ロックの思想は、いかなる政府への抵抗も認めない絶対王政の理論として利用された」
❌ 誤り。
誤答理由: ロックの思想は絶対王政の理論ではなく、その否定である。抵抗権はまさに専制への防壁として説かれた。
②「ロックは君主への無条件の服従を説き、王権神授説を擁護した」
❌ 誤り。
誤答理由: 君主への無条件の服従と王権神授説はロックが『統治二論』で反駁した対象であり、擁護したという記述は正反対である。
③「ロックの思想はフランス革命を批判するために書かれ、革命運動とは無縁であった」
❌ 誤り。
誤答理由: ロックは17世紀の思想家であり、名誉革命の正当化に関わった。フランス革命批判のために書かれたという記述は時代も趣旨も誤っている。
④「名誉革命を正当化するとともに、その信託と抵抗権の思想はアメリカ独立宣言に大きな影響を与えた」
✅ 正しい。
正解。ロックの信託と抵抗権の理論は名誉革命を正当化し、被治者の同意と自然権の思想はアメリカ独立宣言に受け継がれた。
覚えるポイント
- ロックの思想は名誉革命を正当化
- アメリカ独立宣言に自然権と抵抗権の論理が受け継がれた
- 政府の権力は被治者の同意に由来するという原理
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 因果の向きを確認:時期が近いだけで結び付けず、「原因→政策・行動→結果」の順に置き、主体と目的がつながるかを確かめる。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。