RN6-031|公共・倫理 対策問題
ホッブズが自然状態を闘争状態と考えた理由の説明として最も適切なものはどれか。
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正解: 2
正解
人間は心身の能力においておおむね平等であるため、同じものを求めて争いになり、共通の権力がなければ闘争が避けられないから
この問題のポイント
ホッブズの推論の筋道を問う応用問題。「平等だからこそ争いになる」という逆説的な論理を理解しているかがポイント。
解説
ホッブズの議論の出発点は、人間が能力においてほぼ平等だという認識である。最も弱い者でも、策略や共謀によって最も強い者を殺しうる。この平等から、同じものを手に入れられるという希望の平等が生まれ、二人が同じものを欲すれば争わざるを得ない。
さらに各人は自己保存のために自らの力を用いる自然権を持つから、相手からの侵害を恐れて先制攻撃に走り、互いへの不信が闘争を加速させる。こうして、闘争をやめさせる共通の権力が存在しない自然状態は、「万人の万人に対する闘争」にならざるを得ないのである。
ホッブズは人間が邪悪だから争うと言ったのではなく、平等・欲求・相互不信という条件から闘争が論理的に帰結することを示した。だからこそ解決策も、共通権力の設立という制度的なものになる。
ひっかけポイント
「人間の生まれつきの邪悪さ」を理由とするのは単純化しすぎである。ホッブズの論理は平等と自己保存の欲求から闘争を導く点に特色がある。
選択肢の確認
①「神が人間に対して、互いに闘争するよう命じているから」
❌ 誤り。
誤答理由: 神の命令によって闘争が生じるという説明はホッブズにはない。闘争は人間の条件から論理的に帰結するものとされた。
②「人間は心身の能力においておおむね平等であるため、同じものを求めて争いになり、共通の権力がなければ闘争が避けられないから」
✅ 正しい。
正解。ホッブズは、人間の能力がほぼ平等であるがゆえに同じものを求めて争い、共通権力のない状態では闘争が必然になると論じた。
③「人間は生まれつき他人を憎み、破壊すること自体を目的とする本性を持つから」
❌ 誤り。
誤答理由: ホッブズの論理は人間の生まれつきの邪悪さではなく、平等・自己保存の欲求・相互不信という条件から闘争を導く点に特色がある。
④「自然状態ではすでに貨幣経済が高度に発達し、貧富の差が極端に拡大していたから」
❌ 誤り。
誤答理由: 自然状態は国家も社会制度もない状態として想定されており、貨幣経済の発達や貧富の差を前提とする説明は誤りである。
覚えるポイント
- 出発点は能力のほぼ平等という認識
- 平等→同じものへの欲求→相互不信→闘争という論理
- 解決は共通権力(国家)の設立
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 因果の向きを確認:時期が近いだけで結び付けず、「原因→政策・行動→結果」の順に置き、主体と目的がつながるかを確かめる。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。