RN9-098公共・倫理 対策問題

倫理A 人間としての在り方生き方(1) 青年期の課題と自己形成

生活に必要な収入も周囲からの評価も十分に得ているのに、「自分の可能性をもっと発揮したい」と考えて創作活動に打ち込み続ける人がいる。マズローの欲求階層説に基づくこの人の状態の説明として最も適切なものはどれか。

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正解: 2

正解

生理的欲求や承認の欲求などが満たされたうえで、自分の可能性を実現しようとする自己実現の欲求に動かされている

この問題のポイント

マズローの欲求階層説の事例判定。欠乏欲求が満たされた先に現れる自己実現の欲求という階層構造の理解が問われる。

解説

マズローは、人間の欲求を階層をなすものとしてとらえた(欲求階層説)。低い方から、食物や睡眠を求める生理的欲求、危険を避ける安全の欲求、集団に受け入れられたい所属と愛情の欲求、他者から認められたい承認(自尊)の欲求、そして自分の可能性を最大限に実現しようとする自己実現の欲求である。
下位の四つは、足りないものを外から満たそうとする欠乏欲求であり、これらがある程度満たされると、より高次の欲求が現れる。最上位の自己実現の欲求は、成長そのものを求める成長欲求とされる。
事例の人は、収入(生理的・安全)も評価(承認)も満たされたうえでなお、可能性の発揮を求めて活動している。これはまさに自己実現の欲求に動かされた姿である。マズローは人間を、欠乏を埋めるだけでなく成長へ向かう存在として肯定的にとらえた点に特徴がある。

ひっかけポイント
自己実現の欲求を低次の欲求とする階層の逆転が定番の誤り。欠乏欲求の充足の先に成長欲求が現れるという順序で覚える。

選択肢の確認

①「自己実現の欲求は他のすべての欲求より先に現れる最も低次の欲求であることを示している」
誤り。
誤答理由: 自己実現の欲求は階層の最上位にある成長欲求であり、最も低次で最初に現れるという説明は階層の順序が逆である。

②「生理的欲求や承認の欲求などが満たされたうえで、自分の可能性を実現しようとする自己実現の欲求に動かされている」
正しい。
正解。生理的欲求や承認の欲求などの欠乏欲求が満たされたうえで、可能性の実現を求めて活動しており、最上位の自己実現の欲求(成長欲求)に動かされた状態である。

③「最も基本的な生理的欲求が満たされていないため、食物や睡眠を求めて行動している」
誤り。
誤答理由: 事例の人は収入を十分に得ており、生理的欲求は満たされている。食物や睡眠を求める段階という説明は事例に合わない。

④「所属と愛情の欲求が完全に失われたため、いかなる活動への意欲も持てない状態にある」
誤り。
誤答理由: 事例には所属や愛情の喪失も意欲の喪失も描かれておらず、創作への強い意欲はむしろ高次の欲求の表れである。

覚えるポイント

  • 欲求階層は生理・安全・所属と愛情・承認・自己実現
  • 下位四つは欠乏欲求、自己実現は成長欲求
  • 欠乏欲求の充足後に自己実現の欲求が現れる

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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