RN9-095|公共・倫理 対策問題
「自分が何者なのか分からず、将来の職業も進路も選べない。どの集団にいても本当の自分ではない気がする」と訴える青年がいる。エリクソンの理論に基づくこの状態の説明として最も適切なものはどれか。
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正解: 1
正解
自分らしさの感覚を確立できず、進路の選択や社会的な役割の獲得が困難になっているアイデンティティ拡散の状態にある
この問題のポイント
アイデンティティ拡散の事例判定。エリクソンの発達理論における青年期の課題とその危機の関係を理解しているかが問われる。
解説
エリクソンは、人生を八つの段階に分け、各段階に達成すべき発達課題があるとするライフサイクル論を唱えた。青年期の発達課題はアイデンティティ(自我同一性)の確立である。
アイデンティティとは、自分は自分であるという一貫した感覚であり、過去から未来への連続性の中で「自分は何者で、何をして生きていくのか」を確信できることをいう。
事例の青年のように、自分が何者か分からず、職業や進路の選択、社会的な役割の引き受けができず、どの集団にも所属感を持てない状態をアイデンティティ拡散(同一性拡散)という。これは課題達成に失敗した危機の状態であり、無気力や非行、極端な思想への没入などにつながることもある。
エリクソンは、青年期を社会的な義務や責任が猶予される心理・社会的モラトリアムの期間ととらえ、その間の役割実験(様々な役割の試行)を通じてアイデンティティが形成されるとした。
ひっかけポイント
確立と拡散の取り違えが定番。何者か分からない・選べない・所属感がないという訴えは拡散のサインである。
選択肢の確認
①「自分らしさの感覚を確立できず、進路の選択や社会的な役割の獲得が困難になっているアイデンティティ拡散の状態にある」
✅ 正しい。
正解。自分が何者か分からず、進路や役割の選択ができず所属感も持てない状態は、青年期の課題であるアイデンティティの確立に失敗したアイデンティティ拡散にあたる。
②「青年期の発達課題であるアイデンティティの確立をすでに達成した状態にある」
❌ 誤り。
誤答理由: アイデンティティを確立した状態なら、自分らしさの感覚と進路の方向づけが得られているはずであり、事例の訴えとは正反対である。
③「乳児期の発達課題である基本的信頼の獲得に成功した状態にある」
❌ 誤り。
誤答理由: 基本的信頼は乳児期の発達課題であり、事例の青年期の自己をめぐる混乱の説明としては段階が異なる。
④「自分の適性を正確に理解し、職業選択の準備が完了した状態にある」
❌ 誤り。
誤答理由: 事例の青年は職業も進路も選べないと訴えており、職業選択の準備が完了したという説明は正反対である。
覚えるポイント
- 青年期の発達課題はアイデンティティの確立
- 確立に失敗した危機がアイデンティティ拡散
- 拡散は役割の選択不能や所属感の喪失として現れる
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。