KO2-A11|公共・倫理 対策問題
ホッブズが考えた自然状態と国家の成り立ちの説明として最も適切なものはどれか。
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正解: 1
正解
ホッブズは自然状態を万人の万人に対する闘争と考え、平和を実現するために各人が自然権を主権者に譲渡する契約を説いた
この問題のポイント
ホッブズの社会契約説を問う問題。「闘争状態としての自然状態」「自然権の譲渡」「結果的な絶対王政の擁護」という論理の流れで解ける。
解説
17世紀イギリスのホッブズは、ピューリタン革命の内乱の時代を生き、主著『リヴァイアサン』(1651年)で国家の成り立ちを説明した。
出発点は自然状態の想定である。国家も法もない状態では、人間は皆、自己保存の権利(自然権)をもち、能力もほぼ平等である。だからこそ全員が自分の利益を追求してぶつかり合い、「万人の万人に対する闘争」に陥る。人々は常に死の恐怖におびえることになる。
そこで人々は理性の命じるところ(自然法)に従い、契約を結んで自然権を主権者(国家)に譲渡し、その保護の下で平和を得る。国家に旧約聖書の怪物リヴァイアサンの名を与えたのは、平和維持には圧倒的な力が必要だと考えたからである。
この理論は、王権神授説によらずに国家を人間の契約から説明した点で画期的だったが、主権者への服従を説いたため結果的に絶対王政を擁護することになった。抵抗権を認めたロックとの違いが重要である。
ひっかけポイント
自然状態を平和とみるのはロックに近い立場で、ホッブズは闘争状態とみた。抵抗権はロックの主張であり、『リヴァイアサン』の著者をルソーとするのも定番の誤り。
選択肢の確認
①「ホッブズは自然状態を万人の万人に対する闘争と考え、平和を実現するために各人が自然権を主権者に譲渡する契約を説いた」
✅ 正しい。
正解。ホッブズは自然状態を万人の万人に対する闘争とみて、平和のために各人が自然権を主権者に譲渡する契約を説いた(『リヴァイアサン』)。
②「ホッブズは、政府が信託に反した場合の国民の抵抗権を明確に認めた」
❌ 誤り。
誤答理由: ホッブズは主権者への服従を説き、抵抗権を認めなかった。信託違反への抵抗権を認めたのはロックである。
③「ホッブズは、自然状態を自由と平等が保たれた平和な状態であるとした」
❌ 誤り。
誤答理由: 自然状態をおおむね自由・平等で平和とみたのはロックである。ホッブズの自然状態は死の恐怖に満ちた闘争状態だった。
④「『リヴァイアサン』は、一般意志に基づく直接民主制を説いたルソーの著作である」
❌ 誤り。
誤答理由: 『リヴァイアサン』はホッブズの著作である。ルソーの主著は『社会契約論』『エミール』などである。
覚えるポイント
- ホッブズ『リヴァイアサン』=万人の万人に対する闘争
- 自然権を主権者へ譲渡する契約で平和を実現
- 結果的に絶対王政を擁護、抵抗権は認めず
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。