RN9-055|公共・倫理 対策問題
理性についてのハーバーマスとフーコーの立場の比較として最も適切なものはどれか。
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正解: 1
正解
ハーバーマスは対話による合意形成の理性に期待したのに対し、フーコーは理性や知が権力と結びついて人々を管理してきた歴史を暴いた
この問題のポイント
現代思想における理性への二つの態度の対比。対話的理性への信頼(ハーバーマス)と知と権力の批判的分析(フーコー)が問われる。
解説
フランクフルト学派を継ぐハーバーマスは、近代の理性が自然や人間を支配の対象とする道具的理性に傾いたことを認めつつ、理性そのものを見限らなかった。人々が強制のない自由な対話を通じて合意を形成する対話的理性(コミュニケーション的合理性)にこそ望みがあるとし、討議によって社会のルールを正当化する公共圏の理論を築いた。
一方フランスのフーコーは、『狂気の歴史』や『監獄の誕生』で、理性や科学的な知が権力と結びつき、狂気を病として排除し、監視と規律訓練によって従順な身体を作り出してきた歴史を明らかにした。一望監視施設(パノプティコン)の分析のように、近代人の主体そのものが権力によって作られたと論じたのである。
理性を立て直す方向と、理性の隠れた権力性を暴く方向という対照を押さえたい。
ひっかけポイント
対話的理性と知・権力批判の担い手の入れ替えが定番。合意形成のハーバーマス、『監獄の誕生』のフーコーで区別する。
選択肢の確認
①「ハーバーマスは対話による合意形成の理性に期待したのに対し、フーコーは理性や知が権力と結びついて人々を管理してきた歴史を暴いた」
✅ 正しい。
正解。ハーバーマスは強制のない対話による合意形成を可能にする対話的理性に期待し、フーコーは知が権力と結びついて人々を監視・規律化してきた歴史を分析した。
②「ハーバーマスは知と権力の結びつきを批判したのに対し、フーコーは対話的理性による合意形成の理論を築いた」
❌ 誤り。
誤答理由: 二人の立場が入れ替わっている。対話的理性はハーバーマス、知と権力の分析はフーコーである。
③「両者はともに、理性の問題を論じることを避け、感情のままに生きることを勧めた」
❌ 誤り。
誤答理由: 両者はともに理性や社会の問題を正面から論じた思想家であり、感情のままに生きることを勧めたという説明は誤りである。
④「両者はともに、近代の理性をあらゆる面で完全無欠なものとして礼賛した」
❌ 誤り。
誤答理由: ハーバーマスは道具的理性への傾きを批判しつつ理性を再建しようとし、フーコーは理性の権力性を暴いた。理性の全面的な礼賛はどちらにも当てはまらない。
覚えるポイント
- ハーバーマスは対話的理性による合意形成
- フーコーは知と権力の結びつきを分析
- パノプティコンは規律訓練型権力の象徴
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 比較軸をそろえる:二つの時代・地域を、政治の担い手、土地・税制、対外関係、社会への影響など同じ軸で比べ、共通点と相違点を混同しない。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。