RN8-033|公共・倫理 対策問題
フーコーの思想の説明として最も適切なものはどれか。
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正解: 2
正解
理性と狂気の区別のような知の枠組みは歴史の中で作られたものであり、知は権力と結びついて人間のあり方を規定してきた
この問題のポイント
フーコーの知と権力の思想を問う。知の枠組みの歴史性と、知と権力の結びつきという2つの論点がポイント。
解説
フーコーは20世紀フランスの哲学者で、ポスト構造主義を代表する思想家とされる。
彼は『狂気の歴史』で、狂気が時代によって全く異なる扱いを受けてきたことを明らかにした。かつて狂気は社会の中に居場所を持っていたが、近代になると理性の秩序から排除すべき病とされ、施設への監禁と治療の対象になった。理性と狂気の区別そのものが、普遍の真理ではなく歴史の中で作られた枠組みなのである。彼は各時代の知の枠組みをエピステーメーと呼び、その組み替わりを分析した。
さらにフーコーは、知と権力の結びつきを追究した。医学・心理学・犯罪学などの知は、正常と異常を区別する基準を作り、人々を分類・管理する権力の働きと一体である。権力は禁止や暴力として上から押さえつけるだけでなく、知を通じて人間のあり方そのものを作り出す。さらに彼は、人口・出生・衛生や健康の統計を通じて人々の生命そのものを管理する近代の権力を**生権力(生政治)**と呼んだ。この洞察は、常識や制度を自明視しない批判的思考の手本として現代に影響を与え続けている。
ひっかけポイント
知は権力から中立、権力=国家の暴力のみ、という見方はいずれもフーコーが覆したもの。知の枠組みの歴史性+知と権力の一体性、が彼の核心である。
選択肢の確認
①「狂気は、どの時代のどの社会でも同じように扱われてきた」
❌ 誤り。
『狂気の歴史』は、狂気の扱いが時代によって大きく変わったことを示しており、普遍的な病理とする見方を否定した。
②「理性と狂気の区別のような知の枠組みは歴史の中で作られたものであり、知は権力と結びついて人間のあり方を規定してきた」
✅ 正しい。
正解。フーコーは、理性と狂気の区別のような知の枠組みが歴史の中で作られたものであり、知が権力と結びついて人間を規定してきたと論じた。
③「知識は権力から完全に独立した、中立で普遍的なものである」
❌ 誤り。
知を権力から独立した中立のものとみる見方こそ、知と権力の一体性を暴いたフーコーが覆したものである。
④「権力とは、国家が行使する物理的な暴力だけを指す」
❌ 誤り。
フーコーのいう権力は国家の暴力に限られず、知や制度を通じて人々を分類・管理し、主体を作り出す働きを含む。
覚えるポイント
- 理性と狂気の区別は歴史的に作られた(『狂気の歴史』)
- 知は権力と結びつき人間を分類・管理する
- 常識の自明性を歴史にさかのぼって問い直した
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。