RN8-039公共・倫理 対策問題

倫理B 西洋近現代思想(7) 現代の思想

ロールズが示した正義の二原理のうち、格差原理の内容として最も適切なものはどれか。

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正解: 4

正解

社会的・経済的な不平等は、最も不遇な人々の利益を最大にする場合にのみ認められる

この問題のポイント

格差原理の正確な内容を問う。不平等の全面禁止でも放任でもなく、最も不遇な人々の利益になる場合にのみ許容するという条件付けが核心。

解説

ロールズ正義の二原理は次のように構成される。第一原理は、言論・思想・信教の自由や参政権といった平等な基本的自由を、すべての人に保障することであり、これが最優先される。第二原理は社会的・経済的不平等の扱いを定め、(1)不平等が結びつく地位や職務が公正な機会均等の下で全員に開かれていること、(2)その不平等が最も不遇な人々の利益を最大にすること、という2つの条件を課す。この(2)が格差原理である。
格差原理は、結果の完全な平等を求めるものではない。たとえば有能な人により高い報酬を認めることで経済が活性化し、税や再分配を通じて最も恵まれない人々の生活が改善されるなら、その不平等は正義にかなう。逆に、強者をさらに富ませるだけの不平等は認められない。
才能や生まれは本人の功績ではなく偶然の産物だという直観に基づき、自由の保障と福祉国家的な再分配を両立させた理論として、現代のリベラリズムの土台となった。

ひっかけポイント
不平等の一切禁止(完全平等)と、成長に役立てば無条件に容認(放任)のどちらでもない。最も不遇な人々の利益の最大化、という条件を正確に覚える。

選択肢の確認

①「社会的・経済的な不平等は、いかなる場合にも一切認められない」
誤り。
ロールズは不平等を一切禁止したのではなく、条件を満たす不平等は正義にかなうとした。

②「才能ある者が市場競争で得た利益は、すべてその者だけに帰属すべきである」
誤り。
才能ある者の利益の総取りを認めるのはリバタリアニズム的な発想で、才能を偶然の産物とみるロールズは再分配を求めた。

③「不平等は、経済全体の成長を促すのであれば無条件に認められる」
誤り。
経済成長に役立てば無条件に認めるのではなく、最も不遇な人々の利益になることが条件である。

④「社会的・経済的な不平等は、最も不遇な人々の利益を最大にする場合にのみ認められる」
正しい。
正解。格差原理は、社会的・経済的不平等を、最も不遇な人々の利益を最大にする場合にのみ認めるという原理である。

覚えるポイント

  • 第一原理=平等な基本的自由が最優先
  • 第二原理=公正な機会均等+格差原理
  • 格差原理=不平等は最も不遇な人々の利益になる場合のみ

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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