KO5-019公共・倫理 対策問題

公共A 公共の扉(2) 人間としての在り方生き方

ロールズが説いた公正としての正義の説明として最も適切なものはどれか。

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正解: 3

正解

自分の地位や能力を知らない無知のヴェールの下で合意される原理を公正な正義の原理とし、社会的・経済的不平等は最も不遇な人々の利益になる場合などに限って認められるとした

この問題のポイント

ロールズの公正としての正義の理解を問う。無知のヴェールという思考実験の意味と、格差原理の内容が判断の軸になる。

解説

アメリカの哲学者ロールズは『正義論』(1971年)で、社会全体の幸福の最大化のために少数者の犠牲を許しかねない功利主義を批判し、公正としての正義を構想した。
彼は社会契約説を現代的に再構成し、原初状態という思考実験を用いる。人々が自分の地位・能力・財産などを知らない無知のヴェールをかぶった状態で社会のルールを選ぶなら、誰もが自分が最も不利な立場になる可能性を考慮するため、公正な原理に合意するはずだと論じた。
そこで合意される原理は二つある。第一原理は、言論の自由などの基本的自由を全員に平等に保障すること。第二原理は、社会的・経済的不平等が許されるのは、公正な機会均等の下で全員に開かれた地位に伴う場合であり、かつ最も不遇な人々の利益を最大にする場合に限られる、というものである(後半を格差原理という)。

ひっかけポイント
幸福の総量の最大化は、ロールズが批判した功利主義の立場。無知のヴェールは「知らない」状態での合意であり、地位や能力を熟知した交渉と逆にする選択肢に注意。

選択肢の確認

①「財の分配はすべて市場の結果に委ね、国家による再分配は正義に反するとした」
誤り。
誤答理由: 分配をすべて市場に委ね再分配を不正とみるのはノージックらリバタリアニズムの立場。ロールズは格差原理により再分配を正当化した。

②「各人が自分の地位や能力を熟知した上で交渉して決めた原理こそ公正であるとした」
誤り。
誤答理由: ロールズの思考実験は、自分の地位や能力を知らない状態での合意にこそ公正さを求めるもの。熟知した上での交渉という説明は無知のヴェールの正反対。

③「自分の地位や能力を知らない無知のヴェールの下で合意される原理を公正な正義の原理とし、社会的・経済的不平等は最も不遇な人々の利益になる場合などに限って認められるとした」
正しい。
正解。ロールズは原初状態で無知のヴェールをかぶった人々が合意する原理を公正な正義とし、不平等は公正な機会均等の下で、かつ最も不遇な人々の利益を最大にする場合に限り許されるとした(格差原理)。

④「社会全体の幸福の総量を最大化することが正義の唯一の基準であるとした」
誤り。
誤答理由: 幸福の総量の最大化を正義の基準とするのは功利主義であり、少数者の犠牲を許しかねないとしてロールズが批判した当の立場である。

覚えるポイント

  • 原初状態・無知のヴェールの下での合意が公正な原理
  • 第一原理は平等な基本的自由の保障
  • 格差原理は不平等を最も不遇な人々の利益になる場合に限定

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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