RN8-015公共・倫理 対策問題

倫理B 西洋近現代思想(6) 実存主義とプラグマティズム

生徒Aは「死や苦しみ、罪の意識のように、自分の力ではどうすることもできない壁に突き当たって挫折するときにこそ、人は超越者に出会い、本来の実存に目覚めるのだと思う」と発言した。この考え方に最も近い思想家は誰か。

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正解: 2

正解

ヤスパース

この問題のポイント

発言中のキーワードから思想家を特定する問題。「どうにもならない壁=限界状況」「挫折を通じて超越者に出会う」がヤスパース特定の決め手。

解説

生徒Aの発言には、ヤスパースの思想の核心となる概念がそろっている。死・苦しみ・罪といった、人間の力では変えることも避けることもできない状況は、ヤスパースのいう限界状況である。そして、限界状況での挫折を誠実に引き受けることを通じて、人は自己を包み支える超越者(包括者)の存在に気づき、本来の自己である実存に目覚める、というのが彼の実存哲学の筋道である。
他の思想家と比較すると違いがはっきりする。ハイデガーも死を重視するが、それは死への存在の先駆的覚悟によって本来的自己を取り戻すという文脈であり、超越者との出会いは説かない。キルケゴールは絶望を経て神の前の単独者となる信仰を説いたが、限界状況という概念は用いない。サルトルは神に頼らない徹底した自由とアンガージュマンを説く無神論的実存主義であり、超越者の思想とは対極的である。

ひっかけポイント
死をきっかけに本来の自己へ、という筋だけならハイデガーと紛らわしい。「超越者(包括者)との出会い」の有無がヤスパースとハイデガーを分ける決定的な目印。

選択肢の確認

①「サルトル」
誤り。
サルトルは超越者に頼らない無神論的実存主義の立場であり、超越者との出会いを語る発言とは方向が異なる。

②「ヤスパース」
正しい。
正解。どうにもならない壁=限界状況、挫折を通じた超越者との出会い、実存への目覚めという筋道は、ヤスパースの実存哲学そのものである。

③「ハイデガー」
誤り。
ハイデガーも死の自覚を重視するが、それは死への存在の先駆的覚悟の文脈であり、超越者との出会いは説かない。

④「キルケゴール」
誤り。
キルケゴールは絶望を経て神の前の単独者となる信仰を説いたが、限界状況という概念は用いていない。

覚えるポイント

  • 限界状況+超越者=ヤスパース
  • 死への先駆的覚悟=ハイデガー
  • 神の前の単独者=キルケゴール、無神論的自由=サルトル

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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