RN8-037|公共・倫理 対策問題
生徒Cは「学校では時間割やテスト、成績評価を通じて、先生がいちいち命令しなくても、生徒が自分から規則正しく行動するようになっていく。これは監視のまなざしを内面化させる権力の働きとみることができる」と発言した。この見方のもとになった思想家は誰か。
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正解: 2
正解
フーコー
この問題のポイント
身近な事例への思想の応用を問う問題。時間割・試験による訓練と監視の内面化=規律権力、という発想からフーコーを特定できるかが決め手。
解説
生徒Cの発言は、命令や暴力によってではなく、時間割・試験・評価といった日常の仕組みを通じて、人が自分から規則に従うようになる過程に注目している。これはフーコーが『監獄の誕生』で分析した規律権力の考え方である。
フーコーは、一望監視施設パノプティコンをモデルに、見られている可能性を意識した人間が監視のまなざしを内面化し、自ら従順にふるまう主体になる仕組みを描いた。そして、この規律の技術は監獄に限らず、学校・軍隊・工場・病院に共通して働いており、近代社会そのものが規律型の社会だと論じた。生徒Cの学校の例は、まさにこの分析の応用である。
ロールズは公正としての正義を論じた正義論の哲学者、デューイは問題解決学習を重視した教育哲学者だが、教育を権力による主体の形成として分析してはいない。ソシュールは言語の体系を研究した言語学者である。
ひっかけポイント
学校の話だからといって教育思想のデューイに飛びつかないこと。問われているのは規律と監視の内面化という権力分析であり、フーコーの視点である。
選択肢の確認
①「ソシュール」
❌ 誤り。
ソシュールは言語の体系を研究した言語学者であり、規律や監視の分析とは関わりがない。
②「フーコー」
✅ 正しい。
正解。時間割・試験・評価による訓練と監視の内面化から自発的な服従を読み取る見方は、フーコーの規律権力の分析に基づく。
③「ロールズ」
❌ 誤り。
ロールズは公正としての正義を論じた政治哲学者であり、学校の規律を権力の働きとして分析してはいない。
④「デューイ」
❌ 誤り。
デューイは問題解決学習を重んじた教育哲学者だが、教育を監視の内面化による主体の形成として捉えたのではない。
覚えるポイント
- 時間割・試験・評価による訓練=規律権力の技術
- 監視の内面化→自発的服従、モデルはパノプティコン
- 学校・軍隊・工場・病院に共通するとみるのがフーコー
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。