RN8-050|公共・倫理 対策問題
生徒Dは「世界各地の神話や昔話に、すべてを包み込む母なるものや英雄の冒険のような、よく似たイメージが繰り返し現れるのは、人類に共通する無意識の深い層があって、そこから同じ型のイメージが生み出されるからではないか」と発言した。この考え方に最も近い人物は誰か。
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正解: 3
正解
ユング
この問題のポイント
発言から思想家を特定する問題。人類共通の無意識の層+共通のイメージの型、という組合せが集合的無意識と元型=ユングを指すことを見抜く。
解説
生徒Dの発言は、神話や昔話の類似を、人類に共通する無意識の層から同じ型のイメージが生み出される結果として説明している。これはユングの集合的無意識と元型(アーキタイプ)の考え方そのものである。すべてを包む母なるものは元型のグレートマザー(太母)に、英雄の冒険は英雄の元型に対応する。
フロイトは無意識の発見者だが、彼の無意識はあくまで個人が抑圧した欲望の領域であり、人類共通の無意識という発想はユングとの分岐点である。レヴィ=ストロースも世界の神話の類似を研究したが、彼が注目したのは、イメージの型ではなく、要素の組合せ方の構造(思考の無意識的な規則)であり、構造人類学の立場である。デューイは知性を問題解決の道具とみたプラグマティズムの哲学者で、神話論とは関わらない。
無意識をめぐるフロイトとユングの違い、神話をめぐるユングとレヴィ=ストロースの違いは、判別問題の定番として整理しておきたい。
ひっかけポイント
神話の共通性の説明でもレヴィ=ストロースは構造(組合せの規則)、ユングは元型(イメージの型)と、説明の道具が異なる。無意識の深層+イメージの型ならユング。
選択肢の確認
①「レヴィ=ストロース」
❌ 誤り。
レヴィ=ストロースも神話の類似を研究したが、イメージの型ではなく要素の組合せ方の構造に注目した点でユングと異なる。
②「デューイ」
❌ 誤り。
デューイは知性を問題解決の道具とみたプラグマティズムの哲学者であり、神話や無意識の理論とは関わりがない。
③「ユング」
✅ 正しい。
正解。人類共通の無意識の層から同じ型のイメージが生まれるという説明は、ユングの集合的無意識と元型の考え方である。
④「フロイト」
❌ 誤り。
フロイトの無意識は個人が抑圧した欲望の領域であり、人類共通の無意識という発想はユングとの分岐点である。
覚えるポイント
- 人類共通の無意識+イメージの型=ユングの集合的無意識と元型
- フロイトの無意識は個人の抑圧された欲望
- レヴィ=ストロースは神話を構造から分析
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 比較軸をそろえる:二つの時代・地域を、政治の担い手、土地・税制、対外関係、社会への影響など同じ軸で比べ、共通点と相違点を混同しない。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。