RN8-021|公共・倫理 対策問題
「ある考えが正しいかどうかは、それを信じて行動したときに生活の中でうまく働くかどうかで決まる。宗教的な信仰も、人の生を支え力づけるなら、その人にとって真理といってよい」という考え方に最も近い思想家は誰か。
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正解: 1
正解
ジェームズ
この問題のポイント
記述からプラグマティズムの思想家を特定する問題。「有用性が真理の基準」「宗教的信念も有用なら真理」がジェームズ特定の決め手。
解説
設問の記述は、真偽の基準を観念と事実の一致にではなく、信じて行動したときの有用性に求めている。これはジェームズの真理の有用性説そのものである。彼は主著『プラグマティズム』で、観念の真理性はそれが生活の中でうまく働くかどうかで検証されると論じ、真理の現金価値という言い方でその実際的な働きを強調した。
とりわけ決定的なのは宗教的信念の扱いである。ジェームズは、神への信仰が人に生きる力や心の安定を与えるなら、その信念はその人にとって真理でありうるとした。この宗教擁護はジェームズに固有の論点である。
パースは、概念の意味を行動の結果から明晰にする格率を立てた創始者だが、有用性を真理の基準にまで広げることには反対した。デューイは知性を問題解決の道具とみる道具主義と教育論が中心である。ロックは17世紀イギリス経験論の哲学者で、時代も枠組みも異なる。
ひっかけポイント
プラグマティズム内部の三者の区別が狙われる。意味の明晰化=パース、真理の有用性(宗教も)=ジェームズ、道具主義と教育=デューイ、と役割分担で覚える。
選択肢の確認
①「ジェームズ」
✅ 正しい。
正解。有用性を真理の基準とし、宗教的信仰も人の生を支えるなら真理でありうるとするのは、ジェームズの真理の有用性説である。
②「パース」
❌ 誤り。
パースは概念の意味を明晰にする格率を立てた創始者だが、有用性を真理の基準へ広げることには反対した。
③「デューイ」
❌ 誤り。
デューイの中心は知性を道具とみる道具主義と教育論であり、宗教的信念の真理性を有用性から論じる主張はジェームズに固有である。
④「ロック」
❌ 誤り。
ロックは17世紀イギリス経験論の哲学者であり、19世紀末アメリカのプラグマティズムの真理観とは時代も枠組みも異なる。
覚えるポイント
- 有用性を真理の基準とするのはジェームズ
- 宗教的信念の擁護はジェームズに固有の論点
- パース=格率、デューイ=道具主義と対応づける
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。