RN8-008|公共・倫理 対策問題
ヤスパースが説いた実存的交わりの説明として最も適切なものはどれか。
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正解: 4
正解
互いの実存をかけて誠実にぶつかり合う、愛しながらの戦いと呼ばれる関係
この問題のポイント
ヤスパースの実存的交わりの内容を問う。なれ合いでも孤立でもなく、誠実に互いを問い合う「愛しながらの戦い」という表現が鍵。
解説
ヤスパースは、人間が実存に目覚めるのはひとりきりの営みでは完結しないと考えた。限界状況での挫折を経て本来の自己を求める者は、同じように実存を生きようとする他者との実存的交わりを必要とする。
実存的交わりとは、社交辞令や利害でつながる表面的な関係ではない。互いに相手をかけがえのない実存として尊重しながらも、うわべの同調に逃げず、疑問は率直にぶつけ、誠実に自己と相手を問い直し合う関係である。ヤスパースはこれを「愛しながらの戦い」(要旨)と表現した。愛による信頼と、真実を求める厳しさとが一体になった交わりだからである。
この交わりを通じて、人は独断に陥ることなく、互いの実存を高め合い、超越者へと開かれていく。孤独な単独者を強調したキルケゴールと比べ、ヤスパースは他者との連帯の中で実存を捉えた点に特色がある。
ひっかけポイント
交わりの拒否や神との孤独な対話はキルケゴール的な単独者のイメージ。ヤスパースは他者との誠実な交わりを実存の条件とした点で対照的である。
選択肢の確認
①「利害の一致に基づいて結ばれる契約的な関係」
❌ 誤り。
利害の一致による契約的な関係は表面的な結びつきであり、実存をかけた人格的な交わりとは区別される。
②「他者との関わりを一切断ち、ただ神とのみ向き合う関係」
❌ 誤り。
他者との関わりを断って神とのみ向き合うのはキルケゴールの単独者に近いイメージで、交わりを重んじるヤスパースと対照的である。
③「世論に同調することで安心を得る大衆どうしの関係」
❌ 誤り。
世論への同調で安心を得る大衆的な関係は、実存を覆い隠すものであり、実存的交わりの正反対である。
④「互いの実存をかけて誠実にぶつかり合う、愛しながらの戦いと呼ばれる関係」
✅ 正しい。
正解。実存的交わりは、互いの実存をかけて誠実にぶつかり合う関係であり、ヤスパースは愛しながらの戦いと表現した。
覚えるポイント
- 実存的交わり=実存をかけた誠実な人格的関係
- 愛しながらの戦いと表現される
- 交わりを通じて実存が深まり超越者に開かれる
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。