RN6-054|公共・倫理 対策問題
ショーペンハウアーの思想についての説明として最も適切なものはどれか。
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正解: 1
正解
世界の根底に生への盲目的な意志を見いだし、人生は苦悩に満ちているとするペシミズムの立場をとった
この問題のポイント
ヘーゲルの理性主義と対照的なショーペンハウアーの意志の哲学を問う問題。盲目的意志とペシミズム(厭世主義)の結びつきをおさえる。
解説
ドイツの哲学者ショーペンハウアーは、主著『意志と表象としての世界』で、世界の根底にあるのは理性ではなく、生への盲目的な意志であるとした。
人間の生は、この根源的な意志に突き動かされて絶えず何かを欲するが、欲望は満たされなければ苦しみであり、満たされれば退屈が待つだけである。ゆえに「人生は苦悩である」とするペシミズム(厭世主義)の立場が導かれる。この考えには、生の苦しみからの解脱を説くインド思想の影響が指摘される。
苦悩からの救いとして彼は、芸術による一時的な忘我、他者の苦しみを共に苦しむ共苦(同情)の倫理、そして意志そのものの否定である禁欲を挙げた。
理性と進歩を確信するヘーゲル哲学の全盛期に生の非合理性を直視したこの思想は、ニーチェをはじめ後の生の哲学や実存思想に大きな影響を与えた。
ひっかけポイント
絶対精神と自由の実現はヘーゲル、力への意志と超人はニーチェ。ショーペンハウアーは意志を「否定」する方向を説いた点でニーチェと対照的である。
選択肢の確認
①「世界の根底に生への盲目的な意志を見いだし、人生は苦悩に満ちているとするペシミズムの立場をとった」
✅ 正しい。
正解。ショーペンハウアーは世界の根底に生への盲目的意志を見いだし、人生は苦悩に満ちているとするペシミズムを説いた。
②「世界は理性的な絶対精神が自由を実現していく過程であるとした」
❌ 誤り。
誤答理由: 世界を絶対精神の自由の実現過程とみるのはヘーゲルであり、ショーペンハウアーは理性ではなく非合理な意志を根底に置いた。
③「人生の苦しみは、快楽を最大化する社会改革によって完全に解消できるとした」
❌ 誤り。
誤答理由: 社会改革による快楽の最大化で苦を解消できるとするのは功利主義的発想であり、彼の救いは芸術・共苦・禁欲による意志の否定であった。
④「生への意志を肯定し、力への意志に生きる超人の理想を説いた」
❌ 誤り。
誤答理由: 力への意志と超人を説いたのはニーチェである。ショーペンハウアーは逆に意志の否定による解脱を説いた。
覚えるポイント
- ショーペンハウアー=『意志と表象としての世界』
- 世界の根底は生への盲目的意志、人生は苦(ペシミズム)
- 救いは芸術・共苦の倫理・禁欲による意志の否定
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。