RN6-053公共・倫理 対策問題

倫理B 西洋近現代思想(4) ドイツ観念論と功利主義

カントとヘーゲルの自由のとらえ方の比較として最も適切なものはどれか。

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正解: 2

正解

カントが個人の内面における意志の自律に自由を求めたのに対し、ヘーゲルは自由は人倫という共同体の制度の中で現実化されると考えた

この問題のポイント

ドイツ観念論の展開を、自由の概念の深まりとしてとらえる比較問題。内面の自律(カント)から制度における実現(ヘーゲル)へ、という発展をおさえる。

解説

カントにとって自由とは、感性的な欲望を退け、実践理性が立てた道徳法則に自ら従う意志の自律であった。自由は各個人の内面の道徳性において成立する。
ヘーゲルはこのカントの自由を高く評価しつつも、それが個人の心情にとどまる抽象的なものだと批判した。真の自由は、内面の確信にとどまらず、家族・市民社会・国家という人倫の制度や慣習の中で、現実の社会生活として具体的に実現されなければならない。法や制度は自由を制限するものではなく、自由が客観化された姿なのである。
この対比は、道徳を個人の問題とみるか、共同体・歴史の問題とみるかという倫理学の基本的な対立軸として、現代でもしばしば参照される。
ヘーゲルからみればカントの道徳は抽象的にとどまり、カントの側からは制度への埋没が個人の良心を損なうと映る、という相互批判の構図も整理しておきたい。

ひっかけポイント
両者の立場の入れ替えが定番。「内面の自律=カント」「制度における実現=ヘーゲル」という対応を固定して覚える。

選択肢の確認

①「ヘーゲルは自由を各人が欲望を無制限に満たすことと同一視した」
誤り。
誤答理由: ヘーゲルにとって自由は欲望の無制限の充足ではなく、人倫の制度の中で実現される理性的な自由である。

②「カントが個人の内面における意志の自律に自由を求めたのに対し、ヘーゲルは自由は人倫という共同体の制度の中で現実化されると考えた」
正しい。
正解。カントは自由を個人の内面の意志の自律に求め、ヘーゲルは自由が人倫という共同体の制度の中で現実化されるとした。

③「カントは自由を共同体の制度の中に求め、ヘーゲルは個人の内面の自律のみに求めた」
誤り。
誤答理由: 両者の立場を入れ替えた記述である。内面の自律がカント、制度における実現がヘーゲルである。

④「カントもヘーゲルも、自由は幻想にすぎないとして自由の実現可能性を否定した」
誤り。
誤答理由: 両者とも自由を否定したのではなく、自由をどこに、どのように実現するかについて立場を異にしたのである。

覚えるポイント

  • カント=自由は個人の内面の意志の自律
  • ヘーゲル=自由は人倫の制度の中で現実化される
  • ヘーゲルはカントの道徳を抽象的と批判した

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 比較軸をそろえる:二つの時代・地域を、政治の担い手、土地・税制、対外関係、社会への影響など同じ軸で比べ、共通点と相違点を混同しない。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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