RN-B4-02公共・倫理 対策問題

倫理B 西洋近現代思想(4) ドイツ観念論と功利主義

ヘーゲルの思想についての説明として最も適切なものはどれか。

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正解: 3

正解

ヘーゲルは、対立や矛盾を通じてより高い次元へと総合されていく論理を弁証法と呼び、自由が家族・市民社会・国家において具体化されるとする人倫の思想を説いた

この問題のポイント

ヘーゲルの弁証法と人倫を問う問題。「正・反・合と止揚」「家族→市民社会→国家という人倫の三段階」の構図がわかれば解ける。

解説

ヘーゲルは、あらゆる存在は固定したものではなく、矛盾・対立を原動力として発展するととらえた。あるもの(正)がそれと対立するもの(反)とぶつかり、両者が止揚(アウフヘーベン)されて、より高い次元(合)へ総合される。この発展の論理が弁証法である。止揚とは、一方を切り捨てることではなく、対立する両者を否定しつつ保存し、高めることをいう。
ヘーゲルは自由の実現も弁証法的にとらえた。カントのように自由を個人の内面の道徳に求めるだけでは抽象的だと批判し、自由は法や制度といった共同体の仕組みの中で具体化されなければならないとした。法(客観的)と道徳(主観的)を総合した共同体のあり方が人倫である。
人倫は三段階で展開する。愛で結ばれた家族、独立した個人が欲望を追求し合う「欲望の体系」としての市民社会(そこでは人倫の分裂・喪失が生じる)、そして両者を止揚した国家において、人倫は完成するとされた。

ひっかけポイント
人倫を「個人の内面道徳のみ」とするのはカント的な見方への批判点であり誤り。市民社会は欲望の体系として対立を含む段階であり、「対立が生じない」は逆。止揚=切り捨てではない。

選択肢の確認

①「ヘーゲルは、市民社会では人々の欲望が完全に調和し、対立は生じないと考えた」
誤り。
誤答理由: ヘーゲルは市民社会を欲望の体系と呼び、対立と人倫の分裂が生じる段階とみた。対立が生じないという説明は誤りである。

②「弁証法における止揚(アウフヘーベン)とは、対立する二つのもののうち一方を単に切り捨てることをいう」
誤り。
誤答理由: 止揚(アウフヘーベン)は対立する両者を否定しつつ保存し高めることであり、一方の単なる切り捨てではない。

③「ヘーゲルは、対立や矛盾を通じてより高い次元へと総合されていく論理を弁証法と呼び、自由が家族・市民社会・国家において具体化されるとする人倫の思想を説いた」
正しい。
正解。ヘーゲルは対立と矛盾を止揚して発展する弁証法の論理を説き、家族・市民社会・国家において自由が具体化される人倫を構想した。

④「ヘーゲルのいう人倫とは、社会の制度から切り離された個人の内面的な道徳のみを指す」
誤り。
誤答理由: 人倫は法と道徳を総合した共同体の倫理であり、制度から切り離された内面的道徳のみとする理解はヘーゲルが批判した立場である。

覚えるポイント

  • 弁証法=正・反・合、対立の止揚による発展
  • 人倫=法と道徳を総合した共同体の倫理
  • 家族→市民社会(欲望の体系)→国家で人倫が完成

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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