RN6-051|公共・倫理 対策問題
ヘーゲルのいう人倫についての説明として最も適切なものはどれか。
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正解: 4
正解
法と道徳が統一された共同体の倫理であり、家族から市民社会を経て国家において完成するとした
この問題のポイント
ヘーゲル倫理学の中心概念である人倫の構造を問う問題。家族→市民社会→国家という弁証法的な三段階の順序が核心である。
解説
ヘーゲルは、外面的な強制にとどまる法と、内面的な心情にとどまる道徳(カント的な道徳)とを、ともに一面的だと考えた。両者が止揚され、自由が共同体の具体的な制度や慣習として実現されたものが人倫である。
人倫は三つの段階をなす。第一の家族は、愛情によって結ばれた自然な共同体だが、個人の自立は十分でない。第二の市民社会では、個人は自立するが、各人が自己の利益を追求するため共同性が失われる。第三の国家は、家族の共同性と市民社会の個人の自立性がともに生かされた人倫の最高形態であり、ここに具体的な自由が実現するとされた。
個人の内面に道徳の基礎を置いたカントに対し、ヘーゲルは自由を共同体の制度の中で実現されるものととらえた点に特色がある。
ひっかけポイント
家族→市民社会→国家という順序の入れ替えが定番。人倫は内面の道徳だけでも外面の法だけでもなく、両者の統一である点も問われる。
選択肢の確認
①「人倫は国家から始まり、市民社会を経て家族において最終的に完成するとした」
❌ 誤り。
誤答理由: 展開の順序が逆である。人倫は家族に始まり、市民社会の分裂を経て、国家において完成する。
②「人倫とは個人の内面的な道徳心のことであり、社会の制度とは無関係であるとした」
❌ 誤り。
誤答理由: 人倫は個人の内面の道徳(カント的道徳)と外面的な法との統一であり、内面の道徳心だけを指すのではない。
③「人倫は市民社会の段階で完成し、国家はもはや不要になるとした」
❌ 誤り。
誤答理由: 市民社会は人倫の喪失態であり完成ではない。完成態は共同性と自立性を統一した国家である。
④「法と道徳が統一された共同体の倫理であり、家族から市民社会を経て国家において完成するとした」
✅ 正しい。
正解。人倫は法と道徳を止揚した共同体の倫理であり、家族から市民社会を経て国家において完成するとされた。
覚えるポイント
- 人倫=法と道徳を止揚した共同体の倫理
- 家族→市民社会→国家の三段階で展開
- 国家が人倫の最高形態とされた
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。