RN6-058|公共・倫理 対策問題
ミルが道徳の基礎として重視したものの説明として最も適切なものはどれか。
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正解: 1
正解
良心の呵責という内的制裁を重視し、功利主義の理想は「己の欲するところを人に施せ」というイエスの黄金律に一致するとした
この問題のポイント
ミルの功利主義の人間観を問う問題。外的制裁より内的制裁を重んじ、利他的な同胞感情を道徳の基礎に置いた点がポイント。
解説
ベンサムが刑罰などの外的制裁によって人々を最大幸福へ導こうとしたのに対し、ミルは、義務に反したときに感じる良心の呵責(苦痛)という内的制裁こそが道徳の力になると考えた。
ミルによれば、人間には自分の幸福だけでなく他者の幸福を願う社会的感情(同胞感情)が備わっており、これが功利主義道徳の自然な基礎となる。だからこそミルは、功利主義の理想は「自分を愛するように隣人を愛せ」「己の欲するところを人に施せ」というイエスの黄金律に完全に一致すると述べた。
利己的な快楽の計算とみられがちな功利主義を、他者の幸福のために自己を捧げる利他性・献身の倫理として深めた点に、ミルの功利主義の特色がある。
功利主義を単なる利己主義と同一視する誤解を正すうえで、ミルのこの議論は重要な意味を持っている。
ひっかけポイント
外的制裁(ベンサム)と内的制裁(ミル)の対応の入れ替えが定番。ミルは宗教を排斥するどころか、黄金律に功利主義の理想を見た。
選択肢の確認
①「良心の呵責という内的制裁を重視し、功利主義の理想は「己の欲するところを人に施せ」というイエスの黄金律に一致するとした」
✅ 正しい。
正解。ミルは良心の呵責という内的制裁を重視し、功利主義の理想は己の欲するところを人に施せというイエスの黄金律に一致するとした。
②「刑罰などの外的制裁だけが人間を道徳的にするとした」
❌ 誤り。
誤答理由: 刑罰などの外的制裁を重視したのはベンサムであり、ミルは内面の良心の力をこそ道徳の基礎とした。
③「宗教の教えは功利主義と両立しないので、すべて退けるべきだとした」
❌ 誤り。
誤答理由: ミルは宗教を排斥するどころか、イエスの黄金律のうちに功利主義道徳の理想の完全な表現を見た。
④「他人の幸福を願う感情は人間には存在しないとした」
❌ 誤り。
誤答理由: ミルは人間に他者の幸福を願う社会的感情(同胞感情)が備わっているとし、それを功利主義道徳の自然な基礎とした。
覚えるポイント
- ミル=内的制裁(良心の呵責)を重視
- 他者の幸福を願う同胞感情が道徳の基礎
- 功利主義の理想はイエスの黄金律と一致
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。