RN6-059公共・倫理 対策問題

倫理B 西洋近現代思想(4) ドイツ観念論と功利主義

ミルが『自由論』で示した他者危害原則の説明として最も適切なものはどれか。

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正解: 4

正解

個人の自由への干渉が正当化されるのは、他人に危害が及ぶのを防ぐ場合に限られるとした

この問題のポイント

自由主義の古典『自由論』の核心である他者危害原則を問う問題。干渉が許される唯一の条件は「他者への危害の防止」である。

解説

ミルは『自由論』で、文明社会において個人の自由に干渉することが正当化されるのは、「他人への危害を防止する」という目的の場合に限られると論じた。これを他者危害原則(危害原理)という。
本人の身体や精神に関わることについては、本人が
主権者
である。たとえ本人のためになるという理由でも、本人の意に反して強制することは正当化されない。愚かにみえる選択であっても、他人を害しない限り、個人の自由に委ねられるべきである。
ミルがこの原則を説いた背景には、民主主義社会で世論や慣習が個人の個性を押しつぶす「多数者の専制」への強い警戒があった。異論や少数意見の自由な表明こそが真理への道であり、個性の自由な発展こそが社会の活力の源だと論じた。
この原則は、現代の自由主義や、生命倫理における自己決定権の議論の出発点となっている。

ひっかけポイント
「本人のための強制」を認めるパターナリズムは、他者危害原則がまさに退けた考え方。ミルは多数派による言論制限にも反対した。

選択肢の確認

①「本人の利益になることであれば、国家は個人の生き方に無制限に干渉してよいとした」
誤り。
誤答理由: 本人の利益を理由とする強制(パターナリズム)は、本人に関しては本人が主権者だとするミルがまさに退けた考え方である。

②「多数派の意見と異なる言論は、社会の秩序のために制限すべきだとした」
誤り。
誤答理由: ミルは多数者の専制を警戒し、少数意見や異論の自由な表明こそ真理への道として言論の自由を強く擁護した。

③「自由とは国家が許可した範囲内での行動の自由を意味するとした」
誤り。
誤答理由: 自由を国家の許可の範囲に限る考えはミルの自由論と正反対で、自由が原則であり干渉こそ正当化を要するというのが彼の立場である。

④「個人の自由への干渉が正当化されるのは、他人に危害が及ぶのを防ぐ場合に限られるとした」
正しい。
正解。他者危害原則は、個人の自由への干渉が正当化されるのは他人への危害を防止する場合に限られるとするミルの原則である。

覚えるポイント

  • 他者危害原則=干渉の正当化は他者への危害防止のみ
  • 自分自身に関しては本人が主権者
  • 多数者の専制への警戒と個性・言論の自由の擁護

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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