RN8-045公共・倫理 対策問題

倫理B 西洋近現代思想(7) 現代の思想

レヴィナスのいう「顔」の説明として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る

正解: 3

正解

私に「殺してはならない」と呼びかけ、他者への無限の責任を目覚めさせる他者の現れ

この問題のポイント

レヴィナスの他者論の中心概念である顔の意味を問う。顔が倫理的な呼びかけであり、自我に責任を課すものである点が核心。

解説

レヴィナスはリトアニア出身のユダヤ人哲学者で、第二次世界大戦のホロコーストで家族の多くを失った経験から、他者をめぐる倫理の哲学を築いた。
彼のいうとは、単なる顔面のことではなく、他者が私の前に現れることそのものを指す。他者の顔は、私の理解や利用の枠に収まらない絶対的な他性をもって現れ、その無防備さにおいて私に「殺してはならない」(要旨)と呼びかけてくる。この呼びかけは拒否できない倫理的な命令であり、私は他者に対する無限の責任へと目覚めさせられる。
重要なのは、他者が自我の認識の対象ではなく、自我の自己中心的なあり方を揺るがし、倫理を成立させる源泉とされている点である。西洋哲学は他者を自己の理解の体系に取り込んできたと批判したレヴィナスにとって、顔との出会いこそが哲学の出発点であった。他者理解や共生が課題となる現代において、共通テスト頻出の思想である。

ひっかけポイント
顔を自我が意味づける対象とする記述は、他者を同化する発想であり正反対。顔は私の力の及ばない他者からの倫理的呼びかけ、と押さえる。

選択肢の確認

①「鏡に映った自分自身の姿に向けられる自己愛の現れ」
誤り。
自分の姿への自己愛はナルシシズムの説明であり、自我の外から到来する他者の顔とは無関係である。

②「社会的な地位や役割を示すために身につける仮面」
誤り。
社会的役割を示す仮面はペルソナの説明であり、レヴィナスの顔は仮面の下の他者そのものの現れを指す。

③「私に「殺してはならない」と呼びかけ、他者への無限の責任を目覚めさせる他者の現れ」
正しい。
正解。レヴィナスのいう顔とは、殺してはならないと私に呼びかけ、他者への無限の責任を目覚めさせる他者の現れである。

④「自我が自由に意味を与え、思いどおりに解釈できる対象」
誤り。
顔を自我が自由に意味づける対象とみる見方は、他者を自己に同化する発想であり、レヴィナスの他者論と正反対である。

覚えるポイント

  • 顔=他者の現れ、「殺してはならない」という呼びかけ
  • 顔との出会いが無限の責任を目覚めさせる
  • 他者は自我に還元できない絶対的な他性を持つ

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

関連問題

RN8-044RN8-046