RN8-044|公共・倫理 対策問題
「税による所得の再分配は、人々が正当な手続で得た財産を本人の同意なく国家が奪うことにほかならず、個人の権利の侵害である」という主張に最も近い立場はどれか。
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正解: 4
正解
ノージックのリバタリアニズム
この問題のポイント
主張から正義論の立場を判別する問題。再分配課税=権利の侵害という論理が、リバタリアニズムの特徴であることを見抜けるかが決め手。
解説
設問の主張は、正当な手続で取得した財産への所有権を絶対的に重んじ、国家による再分配課税をその侵害として退けている。これはノージックに代表されるリバタリアニズム(自由至上主義)の立場である。ノージックは、正義を分配の結果ではなく取得と移転の手続の正しさに求め、国家の役割を保護と契約の執行に限る最小国家を主張した。
ロールズのリベラリズムは、自由の保障を最優先しつつも、無知のヴェールの下で選ばれる格差原理によって、最も不遇な人々の利益になる再分配を正義の要請として認める。サンデルのコミュニタリアニズムは、共同体の共通善の観点から正義を考える立場で、所有権の絶対視とは異なる。ベンサムの功利主義は、社会全体の幸福の総量を最大化する政策を支持するから、幸福を増やす再分配なら肯定しうる。
再分配に対する態度、すなわち反対=リバタリアニズム、条件付き肯定=リベラリズム、という対比が判別の軸となる。
ひっかけポイント
自由を重んじる点でロールズとノージックは似て見えるが、再分配への態度が正反対。格差原理で再分配を求めるのがロールズ、課税を侵害とみるのがノージック。
選択肢の確認
①「ロールズのリベラリズム」
❌ 誤り。
ロールズのリベラリズムは、格差原理に基づき、最も不遇な人々の利益になる再分配をむしろ正義の要請として認める。
②「サンデルのコミュニタリアニズム」
❌ 誤り。
サンデルのコミュニタリアニズムは共同体の共通善から正義を考える立場であり、所有権の絶対視を核とはしない。
③「ベンサムの功利主義」
❌ 誤り。
ベンサムの功利主義は幸福の総量を基準とするため、全体の幸福を増やす再分配であれば肯定しうる。
④「ノージックのリバタリアニズム」
✅ 正しい。
正解。正当な手続で得た財産への課税を権利の侵害とみて再分配を退けるのは、ノージックに代表されるリバタリアニズムである。
覚えるポイント
- 再分配課税への反対=リバタリアニズム(ノージック)
- 格差原理による再分配の要請=ロールズ
- 共通善=サンデル、幸福の総量=功利主義
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。