RN8-042公共・倫理 対策問題

倫理B 西洋近現代思想(7) 現代の思想

ノージックの主張として最も適切なものはどれか。

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正解: 2

正解

国家の役割を暴力・盗み・詐欺からの保護などに限定し、福祉のための再分配課税は個人の権利の侵害だとした

この問題のポイント

ノージックのリバタリアニズムの主張を問う。最小国家論と再分配への反対という2点が、ロールズとの対比の中で問われる。

解説

ノージックは20世紀アメリカの哲学者で、個人の自由と権利を最大限に尊重するリバタリアニズム(自由至上主義)の代表者である。主著『アナーキー・国家・ユートピア』は、ロールズ『正義論』への最も鋭い応答として書かれた。
彼によれば、個人は自分自身とその労働の成果に対する
所有権
を持つ。正義とは分配の結果のパターンではなく、取得と移転の手続が正当かどうかの問題である。正当な労働や自発的な交換によって得た財産は、それがどれほど不平等でも正義にかなう。したがって、国家が福祉のために課税によって所得を再分配することは、本人の同意なく労働の成果を奪うことであり、個人の権利の侵害にほかならない。
正当化できる国家は、暴力・盗み・詐欺からの保護と契約の執行だけを行う最小国家のみである。ロールズの格差原理に基づく福祉国家を真っ向から否定するこの立場は、正義をめぐる現代の論争の重要な一角を占めている。

ひっかけポイント
格差原理による是正はロールズ、共通善はサンデル、潜在能力の保障はセンの立場。ノージック=最小国家+再分配課税への反対、と固定して区別する。

選択肢の確認

①「すべての人の潜在能力を保障するため、国家は積極的に福祉を提供すべきだとした」
誤り。
潜在能力の保障のための積極的な福祉はセンの考え方に基づく政策構想であり、最小国家論と正反対である。

②「国家の役割を暴力・盗み・詐欺からの保護などに限定し、福祉のための再分配課税は個人の権利の侵害だとした」
正しい。
正解。ノージックは国家の役割を保護などに限る最小国家のみを正当とし、福祉のための再分配課税を個人の権利の侵害とした。

③「社会的な不平等は、最も不遇な人々の利益を最大にするように是正すべきだとした」
誤り。
最も不遇な人々の利益を最大にする是正は、ロールズの格差原理であり、ノージックが批判した立場である。

④「共同体で共有される共通善に基づいて、市場経済を広く規制すべきだとした」
誤り。
共通善に基づく市場の規制はサンデルらコミュニタリアニズムの発想であり、リバタリアニズムとは相いれない。

覚えるポイント

  • リバタリアニズム=個人の自由と所有権を最優先
  • 再分配課税は権利の侵害、国家は最小国家に限る
  • 主著『アナーキー・国家・ユートピア』はロールズ批判

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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