RN8-031|公共・倫理 対策問題
レヴィ=ストロースの主張として最も適切なものはどれか。
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正解: 4
正解
未開とされた社会の具体的事物に即した思考(野生の思考)は、西洋の科学的思考に劣らない論理性を持つ
この問題のポイント
レヴィ=ストロースの野生の思考の評価を問う。未開の思考を劣ったものとみなす進歩史観への批判である点が核心。
解説
レヴィ=ストロースはフランスの文化人類学者で、構造主義の代表的な思想家である。彼はソシュールに始まる構造言語学の方法を人類学に応用し、未開とされた社会の親族関係や神話を分析して、そこに人々自身は自覚していない精緻な規則の体系、すなわち構造を見いだした。
主著『野生の思考』では、未開社会の思考は、抽象的な概念によってではなく、動植物など身近で具体的な事物を組み合わせて世界を秩序づける思考であり、西洋の科学的思考とはやり方が異なるだけで、論理性において劣るものではないと論じた。ありあわせの素材を組み合わせて必要なものを作り出すブリコラージュ(器用仕事)が、その思考のたとえとして知られる。
この立場から彼は、人類の歴史を未開から文明への単線的な進歩とみなし、西洋を頂点に置く進歩主義的な歴史観を厳しく批判した。人間の主体的な決断が歴史を作るとするサルトルとの論争は、実存主義から構造主義への思想の転換を象徴する出来事として知られる。
ひっかけポイント
未開=遅れた段階という見方こそ彼が批判した相手。また主体的決断による歴史の進歩はサルトルの立場で、論争で対立した相手の主張である。
選択肢の確認
①「未開社会は、文明社会へ向かう単線的な発展の遅れた段階にすぎない」
❌ 誤り。
未開を発展の遅れた段階とみる単線的な進歩史観こそ、彼が批判した西洋中心の見方である。
②「歴史は、人間の主体的な決断の積み重ねによって弁証法的に進歩していく」
❌ 誤り。
主体的決断による歴史の弁証法的進歩はサルトルの立場であり、レヴィ=ストロースが論争で批判した相手の主張である。
③「未開社会の思考は感情のみに支配されており、論理を欠いている」
❌ 誤り。
未開社会の思考を感情のみで論理を欠くとみる見方は、神話や親族関係に精緻な構造を見いだした彼の研究と正反対である。
④「未開とされた社会の具体的事物に即した思考(野生の思考)は、西洋の科学的思考に劣らない論理性を持つ」
✅ 正しい。
正解。レヴィ=ストロースは、具体的事物に即した野生の思考が西洋の科学的思考に劣らない論理性を持つと論じた。
覚えるポイント
- 野生の思考=具体の事物による思考、科学に劣らない
- 親族・神話の背後に無意識の構造を発見
- 西洋中心の進歩史観を批判、サルトルと論争
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。