RN8-030公共・倫理 対策問題

倫理B 西洋近現代思想(7) 現代の思想

ソシュールの言語論の説明として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る

正解: 1

正解

言語を社会的な規則の体系であるラングと個人の発話であるパロールに区別し、体系としての言語を研究対象とした

この問題のポイント

近代言語学の父ソシュールの基本概念を問う。ラングとパロールの区別と、言語が世界を区切るという発想がポイント。

解説

スイスの言語学者ソシュールは、近代言語学の父と呼ばれ、その講義録『一般言語学講義』は20世紀思想に決定的な影響を与えた。
彼は言語を2つの側面に区別した。ラングは、ある言語共同体で共有されている社会的な規則の体系(語彙や文法の約束事)であり、パロールは、その体系を用いて個人が行う個々の発話である。言語学の対象は、個々ばらばらのパロールではなく、その背後にある体系としてのラングだとされた。
さらに彼は、言葉の音の面であるシニフィアン(能記)と、意味の面であるシニフィエ(所記)との結びつきに必然性はないという言語記号の恣意性を指摘した。言語は、すでに区切られた事物に名前を貼るのではなく、各言語がそれぞれの仕方で世界を区切り、意味を生み出している。ものの見方は言語の体系に規定されているというこの発想は、人間の思考を背後の構造から捉える構造主義の源流となり、レヴィ=ストロースらに受け継がれた。

ひっかけポイント
言語=事物の名前の目録という素朴な言語観こそ、ソシュールが否定したもの。ラング(社会的体系)とパロール(個人の発話)の対応の入れ替えにも注意。

選択肢の確認

①「言語を社会的な規則の体系であるラングと個人の発話であるパロールに区別し、体系としての言語を研究対象とした」
正しい。
正解。ソシュールは言語を社会的な規則の体系であるラングと個人の発話であるパロールに区別し、体系の研究を言語学の対象とした。

②「言語は、あらかじめ存在する事物の一つひとつに名前を貼り付けた目録である」
誤り。
言語を事物の名前の目録とみる素朴な言語観こそ、ソシュールが否定したものである。言語は世界をそれぞれの仕方で区切る。

③「言語は神が人間に与えた完全で不変の体系である」
誤り。
ソシュールは言語を神授の不変の体系ではなく、恣意的な記号の社会的体系として捉えた。

④「言葉の意味は、話し手個人の意図によってのみ決まる」
誤り。
言葉の意味は話し手個人の意図ではなく、言語共同体で共有される体系の中の差異によって決まるとした。

覚えるポイント

  • ラング=社会的な言語体系、パロール=個人の発話
  • シニフィアンとシニフィエの結びつきは恣意的、言語が世界を区切る
  • 構造主義の源流となった近代言語学の父

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。
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