RN7-048|公共・倫理 対策問題
農村復興に尽力した二宮尊徳の報徳思想の説明として最も適切なものはどれか。
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正解: 1
正解
農業は天地自然の恵み(天道)と人間の働き(人道)が合わさった営みであり、天地や先人の徳に自らの実践で報いるべきだとした
この問題のポイント
天道と人道の合一という尊徳の農業観と、報徳(徳に報いる)の考え方を問う問題。
解説
二宮尊徳(金次郎、1787〜1856年)は相模の農民出身で、没落した家を勤勉と工夫で再興し、のちに小田原藩領などで600か村に及ぶともいわれる農村復興(報徳仕法)を指導した実践的思想家である。
尊徳によれば、作物を実らせる天地自然の営みが天道であり、田を耕し水路を整え雑草を除く人間の主体的な働きが人道である。農業は天道のままに任せれば荒れてしまうのであって、天道に人道を合わせて初めて成り立つ。
そして、人間の生は天地の恵みと先人の努力という徳に支えられているのだから、自らも勤労によってその徳に報いなければならない。これが報徳の思想である。
尊徳の実践は封建体制の変革ではなく、体制の枠内での勤勉・分度・推譲による生活の再建を目指すものであった。
ひっかけポイント
天道任せの無為とする記述は誤りで、尊徳の核心は天道と人道の合一にある。不耕貪食の批判は安藤昌益、商業道徳の心学は石田梅岩との混同に注意。
選択肢の確認
①「農業は天地自然の恵み(天道)と人間の働き(人道)が合わさった営みであり、天地や先人の徳に自らの実践で報いるべきだとした」
✅ 正しい。
正解。尊徳は農業を天道(自然の恵み)と人道(人間の働き)の合一とみて、天地や先人の徳に勤労で報いる報徳を説いた。
②「農業は天道のみによって成り立つので、人間は何の努力もせずに収穫を待つべきだとした」
❌ 誤り。
誤答理由: 尊徳は天道任せでは田畑は荒れるとし、人道の努力を不可欠とした。無為に収穫を待つという理解は正反対である。
③「武士や僧侶を不耕貪食の徒と呼び、封建的身分制度の全面的な廃止を主張した」
❌ 誤り。
誤答理由: 不耕貪食の徒という批判と身分制廃止の主張は安藤昌益のものであり、体制の枠内で復興を進めた尊徳とは異なる。
④「商人の利益は武士の俸禄と同じであると説いて、町人に商業道徳を教えた」
❌ 誤り。
誤答理由: 商人の買利は士の禄に同じという商業道徳は石田梅岩の心学であり、尊徳の報徳思想とは別である。
覚えるポイント
- 二宮尊徳=報徳思想・報徳仕法による農村復興
- 農は天道(自然)と人道(人為)の合一
- 天地・先人の徳に勤労で報いる
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。