RN7-047|公共・倫理 対策問題
安藤昌益のいう自然世と法世の対比の説明として最も適切なものはどれか。
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正解: 2
正解
自然世は万人が直耕して差別のない世、法世は聖人の作為した制度によって差別と搾取が生じた世を指す
この問題のポイント
自然世=理想・平等、法世=作為・差別という対比の向きを正しく捉えられるかを問う問題。
解説
安藤昌益の思想の骨格は、自然世と法世の対比にある。
自然世とは、天地自然の営み(自然の活真)のままに、すべての人が男女を問わず直耕し、生産物をむさぼる者も奪われる者もいない、差別のない平等な世界である。昌益はこれを人類本来のあり方とした。
これに対して法世とは、聖人や釈迦が私意によって作為した制度・教学(法)が支配する世界である。耕す者と耕さずに食う者、支配する者とされる者の区別が作り出され、差別と搾取、争乱が絶えない。昌益にとって、儒教や仏教の聖人の教えは、この転倒した世を正当化する装置にほかならなかった。
荻生徂徠が聖人の作為を積極的に評価したのとは対照的に、昌益は作為をこそ諸悪の根源とみなした。この対比も出題されやすい。
ひっかけポイント
自然世と法世の価値づけを逆にする(法世を理想とする)選択肢が定番。徂徠の「作為の肯定」と昌益の「作為の否定」の対比も整理しておく。
選択肢の確認
①「自然世は西洋社会、法世は東洋社会を指す」
❌ 誤り。
誤答理由: 自然世と法世は西洋と東洋という地域区分ではなく、直耕の世と作為の世という社会のあり方の対比である。
②「自然世は万人が直耕して差別のない世、法世は聖人の作為した制度によって差別と搾取が生じた世を指す」
✅ 正しい。
正解。自然世は万人直耕で差別のない理想の世、法世は聖人の作為した制度によって差別と搾取が生じた現実の世を指す。
③「自然世は災害の絶えない野蛮な世、法世は法律の整備された理想の文明社会を指す」
❌ 誤り。
誤答理由: 価値づけが逆である。昌益にとって理想は自然世であり、法や制度が支配する法世こそ批判の対象だった。
④「自然世は神々の住む世界、法世は死後の魂が行く世界を指す」
❌ 誤り。
誤答理由: 自然世・法世は神話的な他界や死後の世界の区分ではなく、人間社会のあり方の対比である。
覚えるポイント
- 自然世=万人直耕・無差別の理想世界
- 法世=聖人の作為が生んだ差別の世界
- 徂徠の作為肯定と対照的な作為否定の思想
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。