RN7-060|公共・倫理 対策問題
岡倉天心についての説明として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 3
正解
『東洋の理想』で「アジアは一つ」と述べてアジア文明の精神的一体性を説き、日本美術の復興と海外への紹介に努めた
この問題のポイント
天心=「アジアは一つ」・美術運動という組合せと、福沢の脱亜論との対比を問う問題。
解説
岡倉天心(1863〜1913年)は、フェノロサとともに、西洋化の風潮の中で顧みられなくなっていた日本美術の価値を再発見し、その復興に努めた美術運動家・思想家である。東京美術学校の設立に尽力して校長となり、辞職後は日本美術院を創設して横山大観らを育てた。
英文の著書**『東洋の理想』は「アジアは一つ」という言葉で始まる。インドの宗教、中国の思想など多様なアジア文明は、西洋の物質主義とは異なる精神的な愛と美の理想を共有しており、日本美術はそのアジアの理想が結晶した博物館のような存在だと論じた。
また晩年ボストン美術館で活動した天心は、英文の『茶の本』で、茶道にひそむ日本人の美意識と平和の精神を西洋に向けて紹介した。西洋文明国側に立つことを説いた福沢諭吉の脱亜論**と対比される。
ひっかけポイント
『武士道』の新渡戸稲造との入れ替え、脱亜論(福沢)との立場の混同が定番。天心はアジアの精神的一体性の主張であり、脱亜論とは方向が逆である。
選択肢の確認
①「脱亜論を唱えて、アジアとの連帯に見切りをつけるべきだと主張した」
❌ 誤り。
誤答理由: 脱亜論は福沢諭吉に帰される主張であり、アジアの精神的一体性を説いた天心の立場とはむしろ対極にある。
②「西洋画の全面的な導入を主張し、日本画の伝統を否定した」
❌ 誤り。
誤答理由: 天心はフェノロサとともに日本美術の価値を再発見し復興に努めたのであり、日本画の伝統の否定は正反対である。
③「『東洋の理想』で「アジアは一つ」と述べてアジア文明の精神的一体性を説き、日本美術の復興と海外への紹介に努めた」
✅ 正しい。
正解。天心は『東洋の理想』でアジアは一つと述べてアジア文明の精神的一体性を説き、日本美術の復興と紹介に努めた。
④「『武士道』を英文で著し、国際連盟事務次長を務めた」
❌ 誤り。
誤答理由: 英文『武士道』と国際連盟事務次長は新渡戸稲造の事績であり、天心のものではない。
覚えるポイント
- 岡倉天心=『東洋の理想』・アジアは一つ
- 『茶の本』で日本の美意識を世界に紹介
- フェノロサと日本美術復興、日本美術院を創設
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。