RN7-071|公共・倫理 対策問題
南方熊楠についての説明として最も適切なものはどれか。
解答・解説を見る
正解: 1
正解
粘菌の研究などで知られる博物学者で、神社合祀政策に対し鎮守の森の生態系と地域の暮らしを守る立場から反対運動を展開した
この問題のポイント
南方熊楠=粘菌研究・神社合祀反対という組合せと、その環境保護の先駆性を問う問題。
解説
南方熊楠(1867〜1941年)は和歌山県出身の博物学者・民俗学者である。アメリカ・イギリスで独学を重ね、大英博物館で研究し、帰国後は熊野の山中で粘菌(変形菌)をはじめとする生物の研究に打ち込んだ。
明治末期、政府は一町村一神社を標準に神社を統合する神社合祀政策を進め、多くの神社が廃され、境内の鎮守の森が伐採された。熊楠はこれに激しく反対した。鎮守の森は、多様な生物が関わり合って生きる自然の宝庫であり、同時に地域の人々の信仰と共同生活の中心でもある。その破壊は自然と文化の両方を損なう、という主張である。
生態系(エコロジー)という視点をいち早く日本に紹介し、自然保護運動の先駆者と評価される。柳田国男とも交流し、日本の民俗学の発展にも寄与した。
ひっかけポイント
神社合祀に「反対」した側である点を逆にする選択肢に注意。民藝運動は柳宗悦、『遠野物語』は柳田国男で、民間学者どうしの混同も定番。
選択肢の確認
①「粘菌の研究などで知られる博物学者で、神社合祀政策に対し鎮守の森の生態系と地域の暮らしを守る立場から反対運動を展開した」
✅ 正しい。
正解。南方熊楠は粘菌研究で知られる博物学者で、神社合祀に対し鎮守の森の生態系と地域の暮らしを守る立場から反対した。
②「民藝運動を起こして、無名の職人の作る日用品の美を唱えた」
❌ 誤り。
誤答理由: 民藝運動と日用品の美は柳宗悦の事績であり、熊楠のものではない。
③「『遠野物語』を著して日本民俗学を確立した」
❌ 誤り。
誤答理由: 『遠野物語』と民俗学の確立は柳田国男の事績であり、熊楠は博物学・粘菌研究の側から民俗学にも寄与した人物である。
④「神社合祀政策を積極的に推進し、全国の神社の統廃合を指導した」
❌ 誤り。
誤答理由: 熊楠は神社合祀に反対した側であり、推進・指導したという記述は正反対である。
覚えるポイント
- 南方熊楠=粘菌研究の博物学者
- 神社合祀反対運動で鎮守の森を守った
- エコロジーの視点の先駆的紹介者
共通テスト攻略
- 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
- 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。