RN7-072公共・倫理 対策問題

倫理C 日本の思想(4) 近現代日本の思想

民藝運動を起こした柳宗悦についての説明として最も適切なものはどれか。

解答・解説を見る

正解: 4

正解

無名の職人が作る日常の実用品にこそ健やかな美(用の美)が宿るとして民藝の概念を提唱し、日本民藝館を設立した

この問題のポイント

柳宗悦の民藝=無名の職人の日用品の美(用の美)という考え方を、柳田国男の民俗学と区別して問う問題。

解説

柳宗悦(1889〜1961年)は、雑誌「白樺」の同人として出発した思想家・美学者である。
柳は、朝鮮の陶磁器との出会いなどを通じて、名もない職人たちが民衆の日常のために作った工芸品の美に目を開かれた。そして「民衆的工芸」を略した民藝という新しい言葉を作り、鑑賞のための美術品ではなく、日々の暮らしの中で使われる器や布などの実用品にこそ、作為やてらいのない健やかな美、すなわち用の美が宿ると説いた。
無名の職人が伝統の技に身をゆだねて作る品には、個人の天才を誇る近代芸術とは別種の美が実現している。この民藝の思想は美の見方の転換であるとともに、民衆の暮らしの文化への敬意でもあった。1936年には日本民藝館を設立し、各地の民藝品の収集と紹介に努めた。また日本の植民地支配下にあった朝鮮の文化への深い敬愛と擁護の姿勢でも知られる。

ひっかけポイント
柳宗悦(民藝・用の美)と柳田国男(民俗学・常民)は名前が似ており混同が最頻出。民藝は「日用品の美」であり、豪華な美術品の礼賛とは正反対。

選択肢の確認

①「貴族や大名のために作られた豪華な美術品だけに美的価値を認めた」
誤り。
誤答理由: 民藝は貴族的な鑑賞用の美術品ではなく、民衆の日用品にこそ美を見る思想であり、豪華な美術品だけの評価は正反対である。

②「常民の伝承を資料とする民俗学を確立し、『遠野物語』を著した」
誤り。
誤答理由: 常民と『遠野物語』の民俗学は柳田国男の事績であり、名前の似た柳宗悦とは別人である。

③「西洋の油絵の技法を日本に紹介し、洋画壇を確立した」
誤り。
誤答理由: 柳宗悦は油絵の紹介者ではなく、工芸の美を論じた美学者・思想家である。

④「無名の職人が作る日常の実用品にこそ健やかな美(用の美)が宿るとして民藝の概念を提唱し、日本民藝館を設立した」
正しい。
正解。柳宗悦は無名の職人の日常の実用品に用の美を見いだして民藝の概念を提唱し、日本民藝館を設立した。

覚えるポイント

  • 柳宗悦=民藝運動・用の美・日本民藝館
  • 無名の職人の日常の実用品に美を見いだす
  • 朝鮮の工芸・文化への敬愛でも知られる

共通テスト攻略

  • 知識を関係で再現:用語を単独で思い出すだけでなく、「いつ・誰が・何のために・何を行い・何が変わったか」を一続きにして選択肢と照合する。
  • 消去の軸を固定:各選択肢を「時期・主体・目的・内容・結果」に分け、一か所でも歴史的対応がずれるものを消す。語句が一部合うだけで選ばない。

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